やっぱり好きな高原地帯(チャイと温泉)

マシュハド、エスファハーン、テヘラン、シラーズと大きな町ばかり移動してきた私はまた「小さな町へ行きたい病」にかかってしまった。「観光客に親切」なイランでなぜか私は凄く疲れてしまっていた。まぁ食べ物の制限が一番大きな理由だと思うし、痴漢に合わないように結構気を張っていたせいもあるのかもしれない。宿の情報ノートを見ると、気になる村は沢山あったのだけど、疲れていたため移動に面倒臭い場所には行きたくなかった。
テヘランの北、カスピ海近くに「ラシュト」という町があり、そこを起点に近くのビーチや温泉のある町に行ける。が、私はその隣りの「紅茶の産地・ラーヒージャーン」が気になり、そこを起点とすることにした。
ラーヒージャーンで泊まった宿はかなり老朽化を感じる古い宿だったけれど、いい感じのレトロ具合で私は嫌いでは無かった。フロントにおじいちゃんがいる時はまた一層味わい深い。
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部屋の壁に貼られたメッカの方向を示すプレート。
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お祈りをする時に使うクロスと石と数珠セットも置かれていた。
ラーヒージャーンは思っていたよりも町だったけれど、宿から徒歩圏内に商店やバザール、食堂やチャイハネも沢山あって正に「ちょうどいいサイズの町」。紅茶の産地とだけあって、特にチャイハネ(紅茶を出すカフェ)が多く、どの店先でも常に男性が集まってチャイを飲んでいる光景がすごく印象に残った。観光するような場所は特に無いので、ただ町をぶらぶらする。(いや、あるにはある。ただ興味が出なかっただけ;)
チャイハネ
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手前の鍋にはスープ、奥にあるのは中央アジアでも使われていたロシア式ポット。チャイの淹れ方はここでも変わらず、濃い紅茶を作って後でお湯で割る。
持ち手の無いガラスのカップで出されるので熱い。
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チャイ一杯 5,000リアル(約15円)
インドと同じように、ソーサーにうつして冷ましながら飲んだりする。インドと違うのは砂糖が入っていなく、角砂糖が別で出されること。ただ、スプーンはついてこない。どうするかというと、角砂糖を口でくわえながら紅茶を飲むのだ。当然砂糖はすぐ溶けるから、イラン人はチャイを飲み終わるまで何個も砂糖を食べる。一度気を使ってチャイに角砂糖を入れてくれたことがあって、何個入れるのか見ていたのだけど、さすがに5個目「ストップ!」と言ってしまった。一体何個入れるつもりだったのだろう・・・。
この店で飲んだ豆スープ 3万リアル(約85円)
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チャイハネにはたまにこういった軽食を出す店もある。「素朴な豆の味」で劇的に美味しいわけでもないけど、バーガーかケバブの2択から脱出出来るのは嬉しい。
茶葉屋さんもあったけど、日本に帰るのはまだ先なので買えず。絶対ここで飲むより自分で淹れた方が美味しいんだよなぁ。。。
町の中心「ショハダー広場」。
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ラーヒージャーンは他のロータリーにもそれぞれ違ったモニュメントがあって面白かった。
町中に公園や大きな池があるのもいい。


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ベンチで休憩していた女性と子供。



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沢山看板はあるけど、もちろん一つも読めるものは無い。
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イランの公用語はペルシア語で、看板も英語表記があるものは少ない。観光客が来るゲストハウスやホテル等は英語表記があるものの、現地人が使うような安宿にはペルシア文字しか無い。不思議なのは「ありがとう」をイランでは「メルシー」と言うこと。何でこれだけフランス語なんだろう?と凄く違和感があった。イランでは今も多くのアルメニア人が住んでいて、アルメニア語は「インドヨーロッパ語族」に属するらしい。何かよく分からんけど、数字なんかはヒンディー語とよく似ていたので、ヨーロッパ系の言語とインド系の言語、と聞くとなるほどと思った。
英語が出来る人はまぁまぁいるけど、何か聞いたことのない言い回しをする人も多くて何を言っているのか分からないこともしばしば。
ナン屋さん。
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サンドイッチやバーガー等のパンは飽き飽きだけど、焼き立てのナンはやっぱり美味しい。所変わればナンも変わる。中央アジアで丸かったナンは、イランでは写真のように薄くて長丸なのが主流。ゴマが振ってある場合が多く、焼き立ては香ばしく外はカリッ、中はモチッとしている。この店で買おうかどうしようか迷っていると、おじさんが半分に切ってタダでくれた。イランでは本当にこういうことが多く、食べ物で餌付けされる。果物なんかも少しだけ買おうとするとタダでくれたり。これは私だけでなく、他の旅行者からも同じような話をよく聞いた。
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ソフトクリーム。1万リアル(約30円)
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中央アジアから引き続きあるソフトクリームスタンド。ここでも老若男女問わず大人気で、コーンからはみ出してモリモリにしてくれるので、急いで食べたいと手がベッタベタになる。更に果物豊富なイランではジェラート屋さんも沢山ある。
ねこさま!(*´∀`*)
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池の近くで発見。イランに入って結構ねこを見かける。なぜか野良犬はあまり見ない。
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ネコを追い掛け回して写真をバシャバシャ撮っていると、通りかかったイラン人が「ムハンマド(イスラム教の開祖)はネコ好きだったんだよ」と教えてくれたのでググッてみたらこんな逸話が出てきた。
~ある日ムハンマドが外出しようとすると、着ようと思っていた服の上で猫が眠っていた。ムハンマドは猫を起こすことを忍びなく思い、服の袖を切り落とし片袖のない服で外出したという。~(Wikiより)
この話はイラン人も言っていたんだけど、他にも色んな逸話があるらしい。ちょっと親近感わくなぁ、ムハンマド・・・。
池の近くで絡んで来た男達。これだけいて1人としてイケメンと呼べる男がいないが残念。
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車で約1時間「ラームサル」という町にある温泉へ。
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タクシードライバーに「着いた」と言われてもペルシア語の看板しか無いから本当に温泉なのか疑ってかかるも、車を出ると硫黄の匂いが。
「ラームサル温泉」
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7:00~22:00
大浴場:3万リアル(約86円)
個室:1人5万リアル(約143円)
※その他大勢で貸し切りに出来る浴場もある。温泉は男女別だけど、女性側はみんな水着又は下着を着ていて裸の人はいなかった。更衣室、シャワーあり。貴重品BOXは無い。
女性側大浴場
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人は多いけど、浴場はあまり混んでいない。なぜなら湯温が熱いため、出たり入ったりするか、大体みんなすぐ出る。私はそれではもったいないので水シャワーと交互に入るという減量中のボクサーのようなことをひたすら続けていた。
湯船に浸かった瞬間「あぁ~。。。」と言ってしまう辺り日本人。とあるイラン人のおばあちゃんはアッラーへお祈りを捧げながら浸かっていた。こんなところでまで・・・。
そろそろ出ようかとシャワーを浴びて外に出ると、一緒に入ってたお母さんが「食べなさい」と、タッパーに入った四角い緑色の何かを差し出してきた。こわごわ一口食べてみると、キッシュのようなものでほうれん草ではないけれど、そんな感じの味で非常に美味しかった。初日に食べた家庭料理も美味しかったし、どこかの公園で貰ったお弁当も美味しかった。イランは外食は今イチだけど、家庭料理は美味しいのだと思う。
温泉の近くにあったよく分からない何かの博物館にも入ってみた。(安かったから)入って説明を聞いてようやく「宮殿」だったことが判明。
「ラームサル宮殿博物館」
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9:00~17:00
入場料:4万リアル(約115円)
敷地はかなり広く公園のようになっているけど、宮殿自体は小さめ。当時の調度品などが展示されている。
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ラームサルはカスピ海を泳げるビーチもあるのだけど、この日は天気も悪く涼しかったくらいなので結局行かなかった。
ラーヒージャーンに戻って晩ご飯。
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ケバブ2本&ファンタ 11万リアル(約315円)
イランの外食はほぼハンバーガー(サンドイッチ)かこのケバブ(串焼き肉)の2択となる。大体牛かチキンが選べるけど、固かったり臭かったり店によって結構違う。ここはまぁまぁ美味しかったんだけど、付け合せは必ずナン。あぁ、、、米と野菜が食べたい。
フォークで金串から肉をうんしょうんしょと外していたら、店のお兄さんが付け合せのナンを使ってスーッとうまいこと取ってくれた。ありがとう、でもその手は洗ってないよね?
ラーヒージャーン、ラームサルは行って良かった。やはり私は宿周辺で全てがまかなえるくらいの小さい町が好きだなぁー。というわけで、お次も小さめの町へ。





テヘランからラーヒージャーンへの行き方

バスでラシュトまで行ってラシュトで乗り換える予定だったけど、ラシュト行きのバス車内で隣りの人に「ラーヒージャーンに行きたい」と話していると、ちょうどその人もラーヒージャーンに行くとのこと。ラシュトの町まで行かず、途中でバスを乗り換えて直接ラーヒージャーンへ行くことが出来た。(乗り換えたバスでは料金を払っていないので、そもそもテヘランからラーヒージャーン行きのチケットを買えたのかも。)
①市内~バスターミナル
メトロ 7,000リアル
※メトロLine2「Emam Khomeini」から「Shademan」で乗り換え。Line4「Meyden-e Azadi」下車。イランのメトロにある路線図は古いため、この駅名がのっていなかった。
②テヘラン(Tehran)8:35発~ラーヒージャーン(Lahijan)15:15着
ノーマルバス 約6時間40分 15万リアル
※14時前にバスを乗り換えた。チケットは「ラシュト」までで買っていた。
③バス降りた場所~市内中心「ショハダー広場」まで
タクシー 約5分 3万リアル

ラーヒージャーンの安宿

●名前の分からない宿1


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シングル:30万リアル+シャワー8千リアル
WIFI:無し
※ファン、冷蔵庫付、キッチン無し。共同ホットシャワーは別料金。英語は全く通じない。宿の前のナン屋さんには日本語を少し話せるおじさんがいるので助けてくれるかも。ナンは今イチ。
(2016.7.26~2泊)
行き方:ショハダー広場から北の道へ入ってすぐ右手の果物屋さんの裏。果物屋さんとナン屋さんの間の細道を入った突き当り。ショハダー広場から徒歩1分。手前がレストランになっているので、この辺りでコレを見せると分かると思う。↓
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●名前の分からないホテル2


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初めに見つけたのはこちらのホテル。「宿1」を通りすぎて左手側。泊まっていないけど、英語がぺらぺらのマレーシア人男性がいて、分からないことをいろいろ教えてくれた。非常に親切なので、困ったらここへ駆け込もう。ホテルの値段は忘れたけど中級ホテルくらい。テヘランでペルシア語を勉強していて、ここで働いていた女性にホレて結婚したとのことで新婚ホヤホヤ。どうでもいいけどとにかく親切だった。「宿1」を紹介してくれたのもこの男性。中級クラスのホテルがいい方にはここをお勧めしたい。部屋見てないけど;

ラーヒージャーンからラームサル温泉(Ramsar)への行き方

ショハダー広場から東へ行くシェアタクシーを拾う。約1時間、10万リアル。ラームサルの中心から温泉までは近いけど山道を登るので、写真などを見せて「温泉まで」と伝えておく。私はバスターミナルから行こうとしたが、結局ドライバーが知らなかったのかバスターミナルではない所に連れて行かれ、そこからまたタクシーを拾うことになって余分なお金を使ってしまった;バスの本数も少ないようなので、シェアタクシーが無難。帰りも温泉から山道を降りたところにバス停があり、その辺りで現地人協力のもとシェアタクシーをつかまえれた。

コメント

  1. みっきー より:

    誕生日おめでとう!素敵なハガキ届きました☆嬉しいです。ありがとう!

  2. >みっきー より:

    ありがとう!ハガキちゃんと届いて良かった~(*´∀`*)
    あと、スマホ無くしたからみっきーの電話番号とメアド分からんのやー泣
    うちのPCのメアド分かったらそっちに番号送ってもらっていいかな?もし分からんかったらこのコメントで「管理者だけに表示を許可する」に必ずチェック入れて送ってもらっていいかな?
    しほ

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