シラーズでスマホを失くした私は全てのやる気も失ってテヘランに戻って来た。スマホの件を除いたとしても、正直ここまでイランを旅して、なぜかこの国があまり好きになれなかった。
確かにイラン人は親切。
ちょっとでも道ばたで止まると、すぐさま「助けようか?」と声をかけてくれる。・・・と、これはまぁたまに他の国でもあったりするけれど、イランの凄い所は首都テヘランのような都市でもそれが変わらないということ。テヘランは凄く都会で人も車も多く、そんなところでも立ち止まれば声がかかるし、道を歩けば「ハロー」と挨拶をしてくれる。
バスで、モスクで、公園で、1人でいる時、果物やお菓子、チャイ、ナンや時にはご飯まで「ほら、これ食べなさいよ」と餌付けされるw
けれども、マシュハドも、サーリーも、シラーズも、テヘランも、観光場所はいいとして、それぞれの町自体の特徴が無く何か「ぼやっ」としている。テヘランの宿周辺なんて、バイクと車のパーツ屋さん街で、その店ばっかで旅行者的には何の面白味も無い。
食べ物も普通は大体その土地の「名物」的なものがあったりするけれど、マシュハドでデーツ、サーリーで焼き菓子屋があったくらいで、食堂と言えばどこに行ってもバーガーやサンドイッチのファースト店か串焼き肉(ケバブ)しか無い。どこに行っても本当に同じ!その上キッチンのある宿も少なく、自炊もなかなか出来ない。
今まで私は、同じものをずっと食べ続けることが出来ると思っていた。ベトナムではずっとフォーを食べてたし、インドネシアではミーゴレン、タイではカオマンガイ・・・しかしやはりずっと「パン」というのはどうやら合わなかったよう。
ウズベキスタンで会い、テヘランで再会した日本人男性のJさん。彼は18年前にもイランを旅して今回が2度目だという。
私「さすがに18年前はもっと地元料理の食堂とかあったんでしょうね~」
J「いいや。ファーストフード店しか無かったよ。味はマシになったけどね。」
18年経っても変わらないって・・・。
もぅとっととこの国を出よう。
イランは前評判が良かったから楽しみにしてたけど、食べ物が不味い国はしんどい。この国に美味しいものはメロンジュースとナンくらいだ!!(家庭料理は比較的美味しいけど)
あと宿の近くのナン屋↓
朝はめっちゃ人が並ぶ。
↓看板
↓ナン屋さんは袋など無く、みんなこうして手で持ち帰る。
焼き立てはゴマの風味が効いててパリパリで美味しい!
時々形が違う。(私の格好はツッこまないで下さい)
1枚1万リアル(約30円)
ハーフサイズ5千リアル(約15円)
というわけで、次の国アゼルバイジャンビザを取るために、ビザセンターのある「Tajrish(タジリッシュ)」に行ったんだけど、ここが意外にも楽しかった。
メトロの駅を出るとすぐ果物屋さんが並び、甘い香りが漂う。
平べったいモモ。熟しているものは白桃みたいで甘くて美味しい。
フレッシュジュース屋さんで買ったキンキンに冷えたメロンジュース飲みながら進むと商店街が入る。
イランの名産品ピスタチオ。色んな味付けのものがある。
バラも有名で、乾燥させたバラの花びらも売っている。
市場を抜けたところに青いモスクがあった。
中は鏡タイルでキラキラきれい!
アゼルバイジャンのビザ待ちでここで時間を潰そうとしたら、うっかり寝てしまってお祈りの時間に現地人に起こされた。起きた時は人でいっぱいで、出ることも出来なかったのでそのまま見よう見まねでお祈りに参加した。いざやってみると、30~40分の間に何度も立ったり座ったりしなければならなくてかなり面倒。これを1日5回、毎日欠かさずやるって凄いな~・・・。
お祈りが終わった後、起こしてくれた隣りの女性が「あなたはムスリムなの?」と聞いてきた。やっぱりお祈りの時間にいたのがまずかったかな?と思い恐る恐る応える。(モスクによってはお祈りの時間は異教徒の立ち入りを禁止している場所もある)
私「私は仏教徒だよ。」
女性「何で一緒にお祈りしているの?」
私「イスラム教に興味があったから」
(うっかり寝てただけとは言えなかった)
女性「あなたはアッラーを信じているの?」
(※アッラー=神。イスラム教の唯一神。)
私「アッラーも信じているし、ブッダも信じている。私は全部の神様を信じているよ」
そう言うと、女性は隣りの女性にも恐らくそれを訳して伝え、感心するような目で私を見た。そんな目で見られると心苦しい。なぜならこの言葉は私の言葉では無いからだ。
前日宿にいた少し変わったイラン人男性に、何の宗教かと聞くと彼が「無宗教」と答えた。これは国のほとんどがイスラム教徒のイランでは非常に珍しく、理由を聞くと、前述した通りの言葉を言う。「無宗教」と言うと、「何の神様も信じていない」という理由が普通だけど、「全ての神を信じているから無宗教だ」というのはすごくカッコイイと私は思ったのだ。
帰りに女性からなぜかお祈りに使う数珠を貰った。
モスクを出て再び散策開始。
メロンジュースと張る美味しさだった「ヌテラチョコパフェ」。
私が食べた場所は日本大使館寄りだったけど、タジリッシュ駅近くにも支店があったので見つけたらぜひ。店前にヌテラの看板がある。高かったけど美味しかった!
ロシア料理寄りの食堂もあった!
パスタやラザニア、ロールキャベツなど、どれも美味しそう。出来てるものを見て選べるので、注文もしやすい。
パプリカの肉詰め。セットで8万リアル(約230円)
いろんなスパイスが効いてておいしいけど、やっぱりご飯は無く、パン系(TдT )
この左のプチプチのようなものは味の無い薄いクレープのようなもので、よくケバブなどの付け合せにして食べられる。
都会に興味が沸かない私はテヘランで観光したのは、このタジリッシュのモスクだけ。
アゼルバイジャンビザを取ったあと、小さめの町に寄りながらイランを抜けることに。
イラン製のインスタントラーメンとお菓子↓
宿の猫様↓
2匹いる。懐っこくてしゃがむとすぐ寄ってくるのでなかなか写真撮れず。癒やされた~(ノ´∀`*)
シーラーズからテヘランへの行き方
①宿~カーランディーシュバスターミナル
現地人に着いて行ってバスを2回乗り換えた。
②シーラーズ 19:30発~テヘラン 11:30着
VIPバス3列シート(T.B.T) 約16時間 40万リアル
※この「T.B.T」という会社は要注意!チケットカウンターで始めVIPは55万、ノーマルは35万と言われたけどこれは両方ともぼったくり価格。私は現地人に予め値段を聞いていたからVIPを40万で交渉したらすんなりOKだった。後で同じバスに乗った現地人のチケットを見せて貰ったら普通に40万だった。多分ノーマルももっと安いと思う。
更に3列シートは完全に独立していなくて2列+1列なんだけど、私の席は2列側でしかも隣りが男性だった。他の男性が気を使って席を代わってくれたものの、イランでは女性の隣りは必ず女性なのでこの席割りに少しイラッとした。
テヘランの安宿
「Mashad Hotel(マシュハドホテル)」
シングル:35万リアル
男性のみドミトリー部屋有り。
共同ホットシャワー、エアコン付(フロントで管理。夜のみ)
WIFI:無料(速度普通。私の部屋では使えなかった)
※屋上に簡単なキッチンあり。シャワーが1つしか無い。日本語情報ノートあり。猫在住。
(2016.7.17~2泊、7.23~3泊)
行き方:メトロLine1「エマーム・ホメイニー」駅で「Bob Homayoon St.」の出口を出る。(地上に登る階段手前にATM?が並んでいる)そこから東へ徒歩約10分。入口はかなり小さいけど上に看板があるので見逃さないように。
この宿は非常に評判が悪い。が、私は日本語が話せる猫の飼い主としか絡んでないので特に悪いと思うことは無かった。まぁ評判通り全体的にやる気は無いけれど。他の人のブログでスタッフにセクハラを受けた女性もいるので、女性は要注意。一体どいつだろう・・・どいつもやりかねない笑。
※宿の情報ノートにアゼルビザ取り方と近隣メモを残してきました。
↓大きなスーパー「エツカ」。
テヘランでのアゼルビザ取得方法は次の記事にて。
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