イスマイリから「ガベラ」という町までシェアタクシーで行き、そこからミニバスに乗り換えて「シェキ」へ。
私のイメージとかなりかけ離れているメルセデス・ベンツ。
中央アジアからずっとドイツ車は安いらしく、ベンツは沢山見るけど一様にしてボロい。偽物か本物か分からないけど、どちらにしてもボロい。
これもずっとある「クワス」。コーラ+麦茶÷2みたいな炭酸飲料で、好き嫌いが結構分かれる味。キルギスで飲んでいたのは美味しかったのに、これはめっちゃ不味かった。何だろうこの謎の風味・・・。
イスマイリを出て約3時間半、「シェキ」に到着。
バクーから約300km、標高500mにある古くから養蚕で栄えた町。
かつてシルクロードを通って中国と行き来をする隊商の宿泊所として建てられた「隊商宿」が現存していて、その宿の1つ「キャラバンサライ」が町で一番の見どころとなる。
「キャラバンサライ」は現在も宿泊可能なのだけど、土曜に来たせいか満室だった。予約しなかった私も私だけど、南京虫にやられただとか前評判が良くなかったので、まさかこんな人気スポットだとは。一応Booking.comでチェックしておいた他の宿に泊まれたんだけど、結果的にはその宿に泊まって良かったと思う。
※ちなみにキャラバンサライはシングル1泊20マナト(約1,300円)と意外に安いが評判はまちまち。
「キャラバンサライ」
宿泊しなくても無料で見学できる。
看板。何か計算するやつかな?
入口の大きな扉。
小さい扉は少し頭を屈めないと入れない。
後で宿の人にこの扉の理由を聞くと、そこに訪れる人(ゲスト)が、頭をかがめて家主に敬意を表すためにわざと小さく作られているとのこと。へ~なるほど。
中庭を囲むようにして、2階建ての石造りの部屋がある。
部屋の入口。
泊まった人によると、一応WIFIはあるものの、石造りで壁がぶ厚いため電波が届かないらしいw
かつてここで実際商人達がらくだや馬を連れて泊まったと想像するとロマンがある。夜はお酒飲んで宴会みたいなことしたりしてたのかなー。
キャラバンサライを出て町ぶら。
石畳、石造りの建物が並び、その隣りには川が流れる。
観光地として造れれている部分も多そうだけど、それ程雰囲気は損なっていない。
看板もオシャレ。
看板にはそれぞれお店で売っているもののイラストが描かれている。
つぼ屋さん?
壺以外に素焼きのカップなども売っていた。
箱屋さん?
宝箱屋さんだった!(゚д゚)!
う~ん、ミミックであっても開けたくなる宝箱。
しかも全部職人さんの手作りだった。こんな大きなものまで手作業でノミのようなもので叩いて作っていてすごい。
1つだけ古めかしい看板もあった。昔から使っているのかな?
ざくろ型の一輪刺し。
アゼルバイジャンのみならず、コーカサス三国ではざくろモチーフのお土産が沢山ある。キーホルダー、マグネット、置物、、、初めは全く興味無いのに、ずっと見ているとなぜかちょっと欲しくなってくるから不思議。サビリミナル効果?違うか。
恐らくシェキ名物「パフラヴァ」。
色んな場所に売っててアゼル人観光客も沢山買っている。
糸状にした砂糖菓子をはちみつで固めたような、甘いお菓子。味見させてもらったけど味見で充分なくらいとにかく甘い。
シェキの観光情報は隊商宿以外全く調べてなかったのだけど、道を歩いていると「ハーンの家」という案内板を発見したのでてくてくと歩いて行く。場所は分からないけど、現地人に「ハーンハウス」と聞きながら行けばOK。
途中瓦屋根の家なんかもあって、ちょっと日本っぽい。
こんなところに?
「シェキ・ハーンの家」
入場料:2マナト(英語ガイド付)、カメラ2マナト
入ると普通のおばちゃんと子供が来て、「ちょっとそこに座ってて待っててね~」と庭にあるベンチを指差す。中は完全入れ替え制で英語が話せるきれいなお姉さんがガイドをしてくれる。
団体さんの後に私1人でなんだか申し訳無い。しかも私はシェキ・ハーンが誰だか全く分からないので、恥を忍んでお姉さんに何した人なの?と聞くものの、結局難しい英単語が全く分からず;とにかく「シェキ」は昔1つの国で、「シェキ・ハーン」はそれを治めていた人(王様?)らしい。キャラバンサライもシェキ・ハーンが造ったとのこと。そうだったのか・・・。
1階は塗りたてのような真っ白な壁にステンドグラスが入っているだけで、窓の部分だけ修復したという雰囲気で大して面白くはなかったのだけど、2階の1部屋だけほとんど昔のまま、ということだった。
唯一壁画が残っている部屋。
これは凄い!
本当に1部屋だけなんだけど、壁一面、天井まで細密画が。
ガイドのお姉さん曰く、ゲストルームとして使われていたこの部屋の壁画やステンドグラスは90%は当時のままだという。(残り10%は修復過程で現在のガラス等を使っている)
ステンドグラスも、右の明るめの色が修復後、左のくすんだ色は全て昔のままのものらしい。
よく見るとステンドグラスに使われている色は全て4色。
これは季節を表していて、「春=緑、夏=赤、秋=黄、冬=青」。春夏秋冬をステンドグラスで表すなんてシェキ・ハーンさん、何かステキw
シェキ・ハーンの家を後にキャラバンサライの交差点に戻ると、宿に行くまでに使ったタクシーのおじさんに会い、「宮殿は行ったか?」と言う。場所だけ聞いてもちろん歩く。おじさん、またね!(゚∀゚)
城壁。
宮殿のある城壁は少し高台にあるので町が見下ろせる。
博物館。(入っていない)
「ハーン宮殿(KHAN PALACE)」
入場料:2マナト(入れ替え制)
9:00~18:00
※途中休憩とかもあるので時間には余裕を持って行った方がいい。ガイド付きだけどロシア語(アゼル語?)のみ。内部は撮影禁止。
壁の装飾が細かく、結構珍しい色合い。屋根の裏にまで装飾がある。
順番を待っている間に撮った写真。
チケットに番号がふってあり、ロシア語で番号を言われるけど外国人は「ヤポーニャ!(日本人)」とか呼ばれるので大丈夫。
内部の写真が撮れないのは残念だけど、私はキャラバンサライ以上に絶対ここをお勧めしたい。先程のハーンの家のような装飾が壁全面、家全体に施されていて本当に圧巻。ステンドグラスも美しい。これを2マナト(約30円)で見られるのが申し訳無いと思ってしまうくらい・・・と書くと実際行った人は「こんなもんか」となりかねないけど、そう書きたくなるくらいの壮麗さがここにはあった。
スクールゾーンかな?何だか楽しそうな標識。
親切で居心地の良かった宿を後に、次は国境を越えて「ジョージア(グルジア)」へ。
イスマイリからシェキへの行き方
①イスマイリ(Ismaylli)10:00発~ガベラ(Gabela)11:15着
タクシー 約1時間15分 5マナト
※宿近くの交差点にガベラ行バスが通ると言われたけど、1時間待っても来なかったので、同じく待っていた現地人と2人でタクシーをシェア。現地人は途中違う場所に行って降りたので、実質時間は1時間弱くらいだと思う。
②ガベラ 11:50発~シェキ 13:35着
マルシュルートカ 約1時間45分 3マナト
※両方ともバスターミナル発着
③バスターミナル~キャラバンサライ
マルシュルートカ9番 約8分 0.2マナト
※バスターミナル出て右に歩いてすぐある交差点の角からマルシュに乗れる。「キャラバンサライ」と言っておけばその前で降ろしてくれる。タクシーで行く場合は1台2マナト。(マルシュ11番でも行けるらしいけど未確認)
シェキの安宿
「IIgar’s Hostels(イガールホステル)」
住所:Muslim Magomyaev 20.←住所重要!
シングル:15マナト(朝食付)
WIFI:あり(速度普通)
共同ホットシャワー
※キッチンは無い。夕食も頼んだらオーナーと一緒に食べるというほぼ民泊的宿(夕食も美味しかった!)。他の部屋には子供もいる。オーナーは英語が話せてすごく親切。庭には鶏がいて、この宿でWIFIが使えるのがすごいと思うくらいのどか。エアコン等無かったけど、私が行った時期はそれ程暑くもなかった。Booking.comで予約可能。
(2016.8.6~1泊)
行き方:場所はキャラバンサライから徒歩5分もあれば行ける近さだけど、住宅街の細道を曲がり、看板も無いのでかなーり分かりづらい!GPSがあっても難しそう。一度行けば分かるけれど、キャラバンサライからは上り坂なので最初はタクシーを使った方がいいかも(そこにいたタクシーはこのホテルを知ってた)。キャラバンサライからはタクシーで1マナトだったので、最初からここへ行くならバスターミナルからタクシーに乗っても同じ値段で行けそう。
それでも歩いて行きたい人に写真をUPするけど、これで行けるか私も不安;写真が無いと南旅館と張るレベルの難易度の高さだと思う。
①キャラバンサライの向かいのデカいホテル(レストラン)の右の道を登る。
②ホテルの壁に沿って左に曲がる。まっすぐ少し歩くと左手に小さいレストラン、右手に日本支援の建物(幼稚園?)があるので、そこを右、幼稚園の横の道に入って行く。
↓車1台通れるかな?という細道。
そのまままっすぐ。
③突き当りっぽい場所に出たら右に曲がる。
④曲がった所の突き当りの扉が宿。
看板は無い。入って人を呼ぶ。
シェキの町はデカいレストラン裏に小さな商店はある。食事はレストランが嫌ならここで頼んでみてもいいかも。豪勢ではないにしろ普通に美味しかった。
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