アブハジア国境越え|1泊800円の別荘!?そして初日でスリ未遂にあう(スフミ)

アブハジア、スフミの廃墟アブハジア共和国

さて、ジョージア・ズグディディからバスを乗り継ぎいよいよアブハジアへ!
(詳しい行き方は記事最後に書いておきます。)

ジョージア側国境

ジョージア側ではマルシュを降りたところにポリスステーションがあり、そこでパスポートチェック。何やらメモされたりして帰りにまた寄るように言われる。

そこから大きな川にかかる長い橋を渡る。この橋は馬車でも渡れるけど、それ程長い距離でもないのでてくてくと歩く。

P9011228.jpg

天気が悪いから尚更だけど、もうこの橋からして廃墟のようだ。

アブハジアはナゴルノ・カラバフ同様、廃墟が多いことでも有名。(一部で)

この国はジョージアからの独立を巡って、1989年より度々ジョージアと衝突している。

アブハジア紛争と言われるこの武力衝突は1994年に停戦合意したが、紛争時には多くの住人がジョージアに避難した。

私がズグディディで会った人も、アブハジアからジョージアに移り住んだと言っていた。

Yさん「紛争の時、みんなこの橋を渡って逃げたんだね・・・」

そう思うと何だか胸がぎゅっとなる。

国境には思ったより人は多いものの、観光客らしき外国人はいない。ほとんどが恐らくジョージア人かアブハジア人で、キリスト教の正装である黒い服を着ている人が目立つ。

これは私の勝手な想像だけど、やはりこの橋を渡る時には紛争で亡くなった人を思って正装して通るのかもしれない。

アブハジア側国境

橋を渡って更に歩くとアブハジア側の国境。

チェックポイント手前に銃口が括られたピストルの銅像があるので、お見逃しなく。
写真撮影もOKだった。

写真無いけど。(←何度も書きますが写真の一部を誤って消してしまったのです泣;)

チェックポイントでパスポートと一緒にコピーしておいたビザ受領の紙を渡すのだけど、係員はそれをどこかに電話で連絡し、OKの返信電話が無いと私達は通れないらしい。ここでかなり待たされた・・・;

待っている間に、ちょうど係員の制服にアブハジアの国旗にデザインされている「手のマーク」が入った腕章が付いていたので、早速聞いてみた。

↓このマーク。

Flag_of_Abkhazia.png

私は21世紀少年の「ともだち」や、「ハイルヒトラー」的なちょっと独裁的な意味を想像していたのだけど返ってきた答えは。

係員「あぁ、ズドラストヴィーチェだよ。」

ズドラストヴィーチェ=ロシア語で「こんにちは」

・・・なんだ。
思っていたのとは全く違うむしろ何かかわいさすら感じて拍子抜けだった。

その後2度目のチェックポイント(こっちがメインらしい)ではすんなり通過し、無事入国。

持ち物検査もなければ、両国とも出入国スタンプも押されないので、パスポート上はずっとジョージアに滞在していることになる。

入国後早速「俺を撮ってくれよ!」攻撃。

P9011230.jpg

一緒にバスを待っていたおじいちゃん。

P9011232.jpg

やっぱり正装。

アブハジア国境から首都・スフミへ

ここからアブハジアの首都であるスフミ(Sukhumi)を目指す。

情報ではここからスフミ行きのマルシュ(ミニバス)があるということだったけど、私達が行った時は無かったので、スフミ行きのマルシュが来るという「ガル(地元の人はガリとも言う)」という町まで行った。

ガルに着くと既にスフミ行きのマルシュが待機していたけど、出発時間が決まっていて結局1時間半待って13時に出発した。

スフミ行きマルシュルートカ↓

P9011235.jpg

ナンバープレートにはアブハジアの国旗マークが。

P9011233.jpg

この手のマークが「こんにちは」という意味というのを聞いて、何だか一気に親近感が湧いてくる。

時間があるのでその辺でウロウロ・・・してたら見つけた廃墟。

P9011236.jpg

更に入国早々・・・

P9011238.jpg

アブハジアビール!!(゚∀゚)

なぜかその辺にいたおっちゃんが奢ってくれたw味はスッキリドライ系。

マルシュがスフミに入ったところで、宿の近くで降りる。

スフミで泊まった宿が安い上に素敵すぎた

スフミの宿は直前まで結構迷ったものの、「Holiday Home on Jonua 13」という所を予約した。

何とここ、予約サイトの表示では「別荘」とあり、気になってはいたものの、1棟に泊まる料金が他の宿の1部屋料金と一緒だったため「そんなはずない」と怪しんで他の宿を候補にあげていた。

予約サイトで一番安い宿はドミトリーで400ルーブル(約650円)。
但しここは中心部からかなり離れた場所にある。その他ツインだと800~1,000ルーブル(約1600円)くらい。

私達が見た「別荘」は、1棟なのにセールで1,000ルーブルという安さ。

中心部にあって立地もいいのになぜ?と訝しんでいたのだけどこの宿が直前でまさかの「500ルーブル(約800円)」まで下げてきたので、Yさんと「この安さならとりあえず1泊してみよう!」と1泊分だけ予約。

ワリカンで1人400円なのでドミより安い。

到着するまで本当に1棟料金なのかな・・・?と思っていたけど、本当に1棟料金だった笑。

写真を無くしたので、予約サイトから引っ張ってきた私が泊まった部屋の写真↓

スフミ宿2

2階建てでこういうダブル(やツイン)ベッドの部屋が4部屋あるので、4人で行っても1人1部屋ずつ使えるという贅沢さ!

カギも無駄に3つ渡された。
大勢で行ったら絶対楽しいだろうな~。

しかもキッチン以外の全部屋エアコン完備。キッチンの横にリビングがあってそこにはエアコンがあるので、それを付けるとキッチンも普通に涼しくなる。

↓キッチン

スフミ宿3

注意点としては人数が2人とかの場合、初日にオーナーに「1棟予約したから他に人入れないでね!」と言っておいた方がいいかも。

私達は結局ここで4泊したのだけど、2日目に「他の部屋に人が入る」と言われたものの、抗議したら無かったことになった。

あとWIFIがほぼ使えなかったり、前泊まっていた人の食器が洗わずにあったり、蚊が多かったり安いのには安いなりの理由がある。

まぁ不満は時々あるけど、1棟貸し切りという気楽さは半端無いのでヨシとする。

↓Booking.comでの表示

スフミ宿

日付が迫ると大体1,000ルーブルくらいまでは下がる。
私達も2日目以降は1,000ルーブルだった。通常でも2,000ルーブルなので、人数が多ければお得♪

この宿はビザ申請所(領事館?)に近いのも良かった。

スフミ町歩き~廃墟と共に~

領事館で無事ビザをGETして街歩き。

スフミの町は都会とまではいかないものの銀行やスーパー等は普通にあり、バザールは人で賑わっている。

ビーチがあるのでロシア人にとっては人気の観光地らしく、観光客はロシア人のみと言ってもいいほどで通貨もロシアルーブルだし、ロシア語も通じる。

海沿いに中級~高級ホテルもあり、ビーチにはずらっとお土産屋さんやツアー会社の勧誘係が立っている。

そんなビーチを尻目に、私達が真っ先に観光した場所は・・・

廃墟。

私もYさんも廃墟好きなもので。

急に「どーん」と出現するのは旧国会議事堂。

P9011240.jpg

紛争時に襲撃され廃墟となっている。

天気の悪さが尚良いではないか。

P9011241.jpg

・・・と思っていたらザッと雨が降って何と虹が。

P9011244.jpg

しかもうっすらダブルレインボー!(後で写真見て気付いた)

P9011246.jpg

廃墟と虹って・・・相性悪いけどレアやな;

正面には恐らくレーニン像があったであろう台座のみが残されていた。

P9011247.jpg

中も普通に入れて、緑が茂っていたり。ここはネコもいて写真も沢山撮ったのに~涙;

P9011242.jpg

再び町をぶらぶら。

合成感に愛おしさすら感じるナイスな看板。

P9011239.jpg

スフミの町でスリ未遂事件

そして翌日乗る予定のマルシュ乗り場を探していた時。

ジャッ!!

後ろに背負ってた私のリュックのファスナーが開く音がした!

えっ!?と思ってリュックを見ると、案の定リュックの前ポケットが開けられている。

そういうことも想定してそこには常にティッシュとメモ帳くらいしか入れていないので、幸い何も盗られていなかったけど、、、

「ちょっとアンタ何しとん!?」

私のすぐ後ろには現地人の40歳前後くらいの男が1人いた。

開ける所を見てはいないのでその男という確証は無かったけど、Yさんがそいつの腕を掴んだ瞬間「何も盗ってないだろ、ほら」という仕草をしたためこいつだと確信。

Yさんが警察に行くぞ、と詰め寄ると男はポケットからスタンガンのようなものを出して何やら脅してきた。

危険を感じた私はその辺の人に「こいつ変なもの持ってるー!」と助けを呼んだんだけど、何人か集まって来たおっさん達は

「あぁ、コイツ頭おかしいから許してやれよ」って・・・

え、えぇ~っ!?

ま、マジで!?そんだけ!?Σ(゚д゚;)

「何も盗られてないんだろ?」って・・・

え、えぇ~っ!!??

結局日本だと確実に危険人物として警察に連行くらいはされるであろうその男は、何のお咎めも無しで逃げて行った。

まぁ私もスタンガン(?)出した時点でこっちが逃げるくらいしないといけなかっただろうけど、周りの人のこの適当な対応の方が驚きやわ・・・。

何というか、こういったことが日常茶飯事であるような雰囲気というか。

後でYさんと話していて、あのおっさん達もあいつの知り合いで、グルかもしくは「あぁーあいつミスったな」くらいにしか思っていないのかも、ということで納得。

平和なコーカサスで平和ボケしていた自分に改めてカツを入れないと、と思う出来事だったけど、私なんぞに気づかれるとは下手クソなスリだったな・・・。

しかし初日からこんなネタはいらん!

スフミ(Sukhumi)の領事館・宿の場所

アブハジア領事館(ビザ申請所)、宿の場所など。

アブハジアビザ申請料

ビザ申請方法は前回の記事参照。
ビザ代は入国後にスフミの領事館で支払う。

10日間の観光ビザ
350ルーブル+銀行振込手数料(20ルーブル)=370ルーブル(約600円)

※クレジットカードでも支払い可能で、その場合銀行手数料は必要無し。

入国から3営業日以内に申請すること、とHPには書いているが警察にビザの提示を求められる場合もあるので、出来れば入国その日に申請した方が無難。
スフミ駅前で一度だけ警察にビザ提示を求められた。

ジョージア(ズグディディ)からアブハジア(スフミ)への行き方【国境越え】

①ズグディディ 10:30発~ジョージア側国境 10:40着
マルシュルートカ 約10分 1ラリ

※約20分待って出発。マルシュ乗り場はInfoから橋を渡ってすぐ左手。

国境ゲートOPEN時間は9時~19時。
「国境」はロシア語で「グラニッツァ」。国境の名前は「イングリ」。

実際イングリは川の名前でイングリの町は国境から少し離れた場所にある。まぁ「グラニッツァ」とか「スフミ」と言えば通じると思う。

ズグディディ宿

②ジョージア側国境
マルシュを降りた所すぐにあるポリスステーションでパスポート提出。

③アブハジア側国境
チェックポイントでパスポートとビザ申請用紙提出。チェックポイントはこの後もう1ヶ所ありそこを過ぎると入国完了。

※両国とも国境に両替所などは無いので、予めルーブルを用意しておいた方が無難。

私達はズグディディである程度グルジアラリをルーブルに両替しておいた。

スフミでは銀行ATMでルーブルを降ろせる(私は海沿いにある大きなホテルの中にあるATMを使った。)けど、ガルでは見当たらなかった。←よく探してないのであるのかもしれないけど、マルシュで降ろされた場所は商店が少しあるだけのかなり田舎な場所だった。

~ここからアブハジア時間。時計を1時間巻き戻す。~

④アブハジア側国境 11:05発~ガル(ガリ)11:20着
マルシュルートカ 約15分 50ルーブル

※スフミ行きのマルシュが無かった。ガルまではシェアタクシーも同料金。

⑤ガル 13:00発~スフミ 14:15着
マルシュルートカ 約1時間15分 200ルーブル

※降り場は鉄道駅かバザール(リノック)前。途中でも降りれる。

アブハジア(スフミ)のゲストハウス

スフミはバックパッカー宿のような安宿は無く、ビーチに沿って中級~高級ホテルが点在している。
Booking.comでも予約出来る場所はある。私達が泊まったのはちょっと異例な感じだけど。

スフミ宿4

「Holiday Home on Jonua 13」

住所:Jouna St, 13←看板無し。住所重要。

別荘:500~1,000ルーブル(Booking.comで日程が近くなると安くなる)通常2,000ルーブル

WIFI:あり(モバイルルーターのため、1台だとまだ使えるが2台繋げるとかなり遅い。ルーター近くでしか使えず、充電中も使えない。ただ持ち歩けるのは利点。)

設備:ホットシャワー、キッチン、洗濯機(無料)、エアコン、TV

注意点:オーナーはここに住んでいなく、宿には誰もいないため予約無しの飛び込みでは泊まれない。チェックイン時にオーナーの電話番号やFB等連絡取れる手段を確保しておくこと。

WIFIルーターや洗濯機の使い方、キッチンのガスやお湯が使えるか等オーナーがいる間に確認しておいた方がいい。
(2016.9.1~4泊)

コメント

  1. サトウダイ より:

    はじめまして。9/24からジョージアに出発して、9/27~29の間にアブハジア滞在しようと思っておりますが、治安面はどんな感じでしょうか?また、乗合バスで、オチャムチレやトゥクバリチェリという所に行きたいと思っておりますが、もし情報をお持ちでしたら、教えていただけると幸いです。

    • SHIHOSHIHO より:

      >サトウダイ様
      返信遅くなってしまい申し訳ありません(;´Д`) アブハジアどうだったでしょうか?治安はスリ以外は大丈夫だと思いますが、あまりがっつりも行ってないので詳しくは分かりません。帰国までお気をつけて!
      しほ

タイトルとURLをコピーしました