ジョージアからトルコへ入国。
ジョージアを出る前日、うっかりお金を使いすぎて2ラリ(約80円)しか無かった私。
「国境までのバスは0.8ラリ」というインフォメーションセンターのお姉さんの言葉を信じ、その日の夕食に1リラ弱のインスタントヌードルを買い、移動日当日の残金1ラリ。
若干ドキドキしつつも、バスで1ラリ支払う。お姉さんは0.8ラリと言っていたけど、値上がったのか「もうジョージア出るからいらないだろ」と思われたのかお釣りは無かった。まぁ何にせよお金は足りたのでどっちでもいいんだけど。
ジョージアの出国、トルコの入国審査共にパスポートチェックでやたら時間がかかる。トルコ側では職員のお姉さんが私のパスポートの増補した部分を訝しんだ顔でしげしげと眺めた結果、他の税関職員を呼び、更にその人も別の人を呼び、と計3人の職員が私のパスポートを囲み何やらひたすら相談している。
いやいや、、、マイナーな国境じゃあるまいし、これだけ職員いて増補したパスポート見たことある人、1人もいないの・・・?(;´Д`) 結局その内の1人がどこかに電話して10分後くらいにようやく開放された。私もイライラしていたけど、後ろで待っている人の方がよっぽどイライラしただろうなぁ。
イミグレーションオフィスを抜け外に出ると、バスが沢山待ち構えている。バスの客引きがここから西へ向かう「トラブゾン!」「イスタンブール!」と声をかけてくるが、私が目指している町は南へ行くイラン国境近くの町「ドゥバヤズット」。イランに行くわけでは無く、この近くにある「ノアの方舟(と言われているが実際そうではないもの)」を見に行くためである。
そしてそこから「ワン猫」のいる「ワン」という町を目指す予定
・・・だった。
国境で色んな人に聞くも直通のバスは無いとのことで、そこから近い「ホパ」という町まで行き、更に乗り換えて「カルス」という町まで行く。その町が一体どの辺りにあるのか全然分からなかったので何時間かかるのかと聞くと、4時間?5時間?という曖昧な答えだったのでまぁどっちでもいいかと思っていたのだけれど、結果的には6時間かかった笑。
ホパからカルスまではいくつもの山を越える。
始めの内ゲーゲー言い、何度もバスを停めていたトルコ人も数時間後にはぐったりしてバスを停めることもしなくなった。ミルキーブルーの川や、エメラルドグリーンの池を横目で見ながら山を越えたと思うとまた山に入る。数時間後ようやく平地になり、「さぁこれがトルコの大地ですよ」と言わんばかりの平原が広がる。
大きな国旗。
この後もトルコでは本当によく国旗を目にした。それもオフィスビルの上から半分までを隠すものだったり、かなり大きなものばかり。トルコに行くのは今回が初めてなので、いつもこうなのかどうかは分からないけど、私が行った時期がイスラム教徒の祝日期間だったということも関係していると思う。
夕方5時前にカルスに着いたのもの、その小さなバスターミナルには1台のバスも停まっていなかったので、乗って来たバスの運転手にドゥバヤズットに行きたいと言うと、「バイランだしバスはもう無いよ」と言う。
※バイラン・・・イスラム教徒のお祭り。私が行った時は丁度「犠牲祭」というお祭り期間中だった。お祭りというより「祝日」で家畜が解体される以外特に何も無い。1週間くらいあり、その期間はレストランや店も閉まっていて日本で言うゴールデンウィークのような感じ。
バスが無いならどうしようも無いので、同じくドゥバヤズットからイランに帰ろうとしているイラン人男性2人と一緒に近くのホテルにチェックインしたのだけど、私は安い部屋、イラン人2人は高い部屋を選んだのが何だか切なかった・・・;
泊まった宿はバスターミナルには近いものの、市内中心部までは少し離れているらしい。市内の方にいくつか見所があるようだったけれど時間も時間だったので宿周辺を散策することに。
まだ日も落ちていないのに、祝日のせいで町はひっそりと静まり返っている。開いているのは数軒のチャイハネだけで、店の前に置かれたイスにはトルコ人が沢山座ってチャイを飲んでいるけれど、男性だけで女性の姿は全く見ない。あぁ、またイスラム圏に戻ってきたなぁ。
※イスラム教では既婚女性は夫以外の男性に姿を見せないのが良しとされているけれど、よほど敬虔なムスリムでないとそれを守っている人はいない。実際はみんな普通に出歩いているものの、やはり男性の方が目立つ。トルコは特に都会以外のチャイハネで女性の姿を見ることは無かった。
近くにあったモスク。
モスクの裏には古そうな教会が。イスラム教のモスクとキリスト教会が隣接するなんて結構寛容だなぁ~。
砦のようなものも見えたのでとりあえず登ってみることに。
砦の上からはカルスの町が一望できる。
見渡すと平原の中に囲まれた町、というか平原の中に「ちょっとお邪魔しますね~」とつくった町、という感じ。今どんなに栄えている町でも、最初はそこには自然しか無かったのだ。
観光客なのか、地元の人なのか、トルコ人も数人景色を眺めに来ていた。
1軒だけ開いていたロカンタ(=食堂、レストラン)で食事。
トルコ料理は世界三大料理の1つ。(あと2つは中華とフレンチ)
なのにトルコ入って最初の料理が豆のスープって・・・( ;∀;) しかもこれ中央アジアやコーカサスでも食べれるしね。。。けどバケット(パン)は無料で食べ放題。食後のチャイも無料なのが嬉しい。(観光客用レストランはほぼ有料)
あっ!サラダのきゅうりが無くなった!
↑中央アジアからずっと「サラダ=トマトときゅうり」だった。
「犠牲祭」とはアブラハムが進んで息子のイスマーイール(イシュマエル)をアッラーへの犠牲として捧げた事を世界的に記念する日。家畜を生け贄として殺し、貧しい人に分け与えたり親族が集まってみんなで食べたりするらしい。
期間中、路上に血溜まりがあったり、解体後の剥がされた毛皮が重ねて置かれてあったり、何だか生臭かった;
宿近くの店にはヤギの角らしきものを飾っていた(;´Д`)
夜、宿のオーナーにトラブゾン経由でワンに行きたいと話すと「ワンは昨日攻撃されたから絶対に行かないでくれ」と言われた。(ISではないとのことだったのでクルド系?大きなテロでは無かったようだけど、TVのニュースでもやっていた)
トラブゾンも比較的ワンに近いし、やはりバイラン中で国境など特に何があるか分からないから行かない方がいいと言う。トラブゾン経由でイランに戻る予定だったイラン人男性2人も別の国境から帰国することに。現地の人が避けるというのはよほどなので、私も残念ではあるけれど予定を変更して西へ向かうことにした。
★補足★
犠牲祭前に在トルコ日本大使館から「犠牲祭期間中は人が多い場所に行かないように」という注意喚起メールを受け取りました。以前のISによるテロもイスラム教徒の断食月にあったため、祭日期間は特に気をつけた方がいいとのこと。イスラム教は金曜日が休日なので、金曜日も注意した方がいいかもしれないです。
ジョージア(バトゥミ)からトルコ(カルス)への行き方【国境越え】
トルコ旅行を予定の方、必ず前回の記事をお読み下さい。→トルコの今~テロと治安~
※トラブゾン他、トルコの主要都市へはバトゥミから国際バスが出ている。私は主要都市を経由する予定が無かったため使わなかったけれど、南へ行く場合どちらにしろトラブゾンまで出た方が早いかもしれない。
①バトゥミ市内 9:45発~国境(Sarp サーフィ)10:15着
マルシュルートカ 約30分 1ラリ(or 0.8ラリ)
乗り場「Chavchavadze St.」トビリシスクエア近く、88番マルシュ又は16番バス。
②国境
ジョージア側に両替所あり。トルコ側はパッとみ見当たらずATMも無かった。見つけられなかっただけかも?
~ここからトルコ時間。私が旅した時はサマータイム期間なので、時計を1時間巻き戻す。サマータイム以外は2時間。~
③国境 10:10発~ホパ(Hopa)10:30着
ミニバン 約30分 1ドル
※ATMが無くトルコ通貨を持っていなかったためドル払い。2ドルだと言われたけど1ドル札しか無いと言うと値下がった。ホパ行きのミニバンは始め見当たらず、とにかく色んな人に聞きまくっていたら現地人がどこかに電話してバスを呼んでくれた。本数が少ないのかも?他の乗客はほぼ町で降りるので運転手に「バスターミナルまで」と伝えておくこと。
④ホパ 10:40発~カルス(Kars)16:45着
ミニバン 約6時間5分 50リラ←※トルコ通貨
※ホパのバスターミナルにも両替所・ATMは無い。カルスに向かう途中にATMに立ち寄ってもらって支払った。
カルスの安宿
「HOTEL TAMEL2」
シングル:30リラ
WIFI:無し
設備:ホットシャワー・トイレ付き
その他:ホットシャワーはぬるい。部屋はボロいものの掃除はちゃんとされている。スタッフは英語が話せないが、オーナーは英語OK。聞きたいことがあれば電話で呼んでくれる。斜め向かいにある別館「HOTEL TAMEL1」はWIFI、朝食付きで50リラ(多分1室料金)。
行き方:バスターミナルから徒歩5分。近いし宿も少ないのでその辺の人に聞けばすぐ分かるはず。
宿泊日:2016.9.12~1泊
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