2018年(平成30年)7月豪雨。西日本を中心に各地で被害をもたらした集中豪雨災害から8ヶ月が過ぎました。
真備地区では、当時1日何千人と来ていたボランティアも、今は100人といません。
現在、ボランティアの受け入れ数自体も縮小していますが、受け入れが少なくなったからといって、完全に復興したわけでもありません。
ボランティアができる範囲は限られているので、「素人ができる場所が少なくなった」だけ。まだ多くの人が仮設住宅での生活を送っています。
また、家庭によって進む速度も違うので、ボランティアが入ったのが遅い場所はまだまだ人の手を必要としています。
私は9月から土日を利用して月1、2回真備のボランティアに行っているのですが、つい先日も行ってきたので、今一度現状をお伝えしようと思います。
私の真備での活動は一応今回で最後になりそうなのですが、災害ボランティアについて色々と学ぶことも多かったので、もし行こうか悩んでいる方がいれば、この記事を参考にして頂ければと思います。
ボランティアって誰でも参加できる?どんな作業があるの?
高校生以上なら、誰でも参加できます。年配の方から、連休は大学生の方も多いです。
体力に自信が無い方も、写真洗浄や屋内清掃などの作業があります。
2019年3月現在、真備地区の作業は、主にリフォーム前のお宅の室内清掃が多いです。
土がついた柱や壁、窓ガラスの洗浄などが主な作業内容ですが、家庭によって進行具合も違うので、これに限りません。
その他側溝などの溝掃除もあります。
災害ボランティアに参加するにあたっての注意点
以下、倉敷市災害ボランティアセンターHPより抜粋、補足しています。
【被災された方への配慮】
●被災された方々へのお気持ちやプライバシーを配慮し、マナーある行動と言葉遣いをお願いします。
→補足:「被災地、被災者」と呼ばない。→ 「真備、災害にあわれた方」
●一部のボランティアによる記念撮影などで戸惑われている地元の方もおられます。不要な撮影はボランティアへの信頼を損ねる原因になるため自粛ください。どうしても撮影したいときは必ず許可を得てください。
●物の廃棄や撤去をする場合は、被災された方に必ず必要な物と不要な物確認ください(タンスなどは貴重品や現金が入っている場合がある)。被災された方の大切な思い出の品かもしれません。
→補足:よく分からないものであっても決して「ゴミ」と言わない。
【自分の安全管理】
●「危険」や「不安」と感じる作業は無理に行わない。
●必ず食事を召し上がってください。
→補足:ボランティアが休憩をとらなければ、家の方も休憩しづらいです。家の方も一緒に作業をしていて、休憩していなさそうであれば「一緒に休憩しませんか?」と一声かけてみるのもいいと思います。
●感染症を防ぐために、道具や手はよく洗う。
●ケガをされた場合や体調が悪くなった場合(発赤・腫れ・熱感など)は病院へ行く。災害ボランティアセンターにもご報告ください。
倉敷市災害ボランティアの参加方法
2019年3月現在、ボランティアは事前予約制(4日前締切)となっています。
活動希望日の4日前までに予約しなければいけません。先着順で予定人数に達したところで締め切りになります。また、予定人数に達した場合は自動的に予約ができなくなるシステムになっています。
毎週火曜・水曜は活動休止日です。
最新情報は「倉敷市災害ボランティアセンター」のホームページにて必ず確認しましょう。
https://peraichi.com/landing_pages/view/kuravol
①チケット販売サイト「Peatix(ピーティックス)」に登録する。
https://peatix.com/
●アプリはダウンロードしてもしなくてもOK。
●チケット購入という形式ですが、もちろん無料です。
②「倉敷市災害ボランティアセンター」で検索。
●”見つかりません”と出た場合は、場所を”すべての場所”に変更。
↑表示されている「倉敷市災害ボランティアセンター」をクリック。
③下にスクロールして、活動したい日付をクリック。
●”続きをよむ”で表示されていない日程が見れます。ここに書かれていない日程はまだ募集されていません。
●日付クリック後に”チケットをご用意できませんでした”と表示される場合は売り切れ、もしくは活動休止日です。
必要事項を記入して送信。
受付完了メールが送られてきたら参加予約完了です。
~ボランティア当日~
特にメール・チケット画面を見せる必要はありません。受付で名前を言えばOKです。
ボランティアは完全予約制なので、もし都合が悪く行けなくなった時はボランティアセンターに電話しましょう。
【倉敷市災害ボランティアセンター】
電話番号(総合窓口) 086-697-0111
電話受付時間 月~日 9:00~16:00
もし予約を忘れてしまった人は、予約がいっぱいだった場合、現地でキャンセル待ちになるかもしれません。予約は必須です。
★写真洗浄のボランティアは事前予約が必要ないので、もし予約ができなかった方はそちらに参加してもいいと思います。
毎日やっているわけではないので、ホームページの「真備町写真洗浄会」の予定表で確認しましょう。
災害ボランティア時の服装・必要な持ち物
服装は上の写真を参考にして頂くといいと思います。
ダウンを着ている方がいますが、今の時期、作業中は暑くても休憩になると寒いことも多いので、こういった寒さ対策の羽織ものが必要です。
私は白のフリースを着ていますが、汚れるのでおすすめしません;いつも持って行くナイロンパーカーを忘れたのです。(何ならこの日は着替えも全部忘れました笑)
災害の内容や行く時期のよって持ち物も変わるので、ここでは2019年3月現在・真備地区での作業で必要な持ち物を紹介します。
※作業に使うスコップなどの道具は、センターで用意してくれているので持って行く必要はありません。
●マスク
現在は清掃作業が多いので、薄手のマスクがあると便利です。
●ゴーグル
これは現在使っている人はあまりいません。埃に弱い人はあった方がいいかもしれません。
●帽子
現在は暑さ対策というよりも、埃を被るの防止であると便利です。
★ビニール手袋、軍手
拭き掃除、掃き掃除が多いので両方持っていた方がいいです。
★お昼ご飯と飲み物
買える場所が近くに無いことが多いので、必ず持って行きましょう。
★動きやすく、汚れてもいい服
ジャージでも、ジーパンでも、汚れたり破れたりしてもいい服なら何でもOKです。わざわざ買う必要はありません。
釘が飛び出ている箇所も多いので、出来れば厚手のものが無難です。
★長靴
底とつま先に鉄板が入った安全長靴がベストですが、普通の長靴に「踏み抜き防止板(釘を踏んでも突き抜けないインソール)」を入れたものでも代用できます。踏み抜き防止板はホームセンターで千円前後で売っています。
リフォーム前のお宅に入ることが多いので、落ちた釘を踏んでケガするということが多いそうです。
現在ぬかるみを歩くことはあまり無いので、トレッキングシューズやスニーカーなどでも大丈夫ですが、砂埃を被ることが多いので、スニーカー等だと後々洗うのが面倒だと思います。
長靴であれば、作業終了後にスタッフの方が高圧洗浄機で「バッシャーッ!!」と洗ってくれるので楽。
真備地区ボランティアセンターまでの行き方
2019年3月現在、ボランティアの受付を行っているのは「倉敷市災害ボランティアセンター(まびいきいきプラザ)」です。
住所:岡山県倉敷市真備町川辺2271
ボランティア受付時間:9時~10時
最寄り駅:井原線「川辺宿駅」から徒歩2分。
駐車場:あり(無料)8:30より入庫可能。
※車中泊は禁止ですが、ボランティア活動中は何泊でも車を置いておくことは可能です。
★高速道路無料措置は2019年3月31日までです。
高速料金免除手続きの方法
→時間が無くて手続きできなかった方も、帰りだけでも現地ボランティアセンターで簡単に申請できます。
JR利用の場合「新倉敷駅」
駅北口からボランティアセンターまで無料送迎バスが出ています。
行 8:30、9:30発
帰 15:15、16:15発
★4月からボランティアセンターが移動します。ホームページで必ず確認を!
当日の活動の流れ
①レクレーション&マッチング
ある程度人が集まったら、ボランティア活動をするにあたっての注意事項などの説明があります。
説明を聞いた後にマッチングが行われます。スタッフの方が「〇〇さんのお宅で、屋内清掃、◯名募集」など説明があるので、行きたいと思う活動に手を挙げます。
私は長々と待つのも作業をより好みするのも嫌なので、大体一番初めに紹介されるものに手を挙げます。
②現場へ移動
作業内容にもよりますが、大体5人前後のグループになって1つの家で作業します。
リーダーと、休憩時間を知らせるタイムキーパーを1人ずつ決めます。
作業に必要な道具を指示してくれるので、みんなでトラックに積んで車で現場に向かいます。
③作業開始
季節によって休憩時間は異なります。夏の暑い時期は15~20分作業、10分休憩でしたが、現在は40分作業、10分休憩です。
昼ご飯休憩はタイムキーパーにもよりますが大体40分くらい。もちろん、休憩時間以外にも水分補給や、疲れたら勝手に休憩してOK。
無理をしない、ケガをしないことが第一です。
※作業中、荷物はその辺に置いておけます。財布やスマホなどの貴重品だけ身につけておいた方がいいかもしれません。
④作業終了
作業を始める時間にもよりますが、16時にはセンターに戻らなければならないので、大体15時~15時半くらいに終わります。
全員で片付けをし、センターで靴の洗浄、消毒、手洗い、うがいを行って活動終了。
後は一度集合したり、ふわっと流れ解散になったり、リーダーによってまちまちです笑
リーダーは活動報告(次行く人への引き継ぎ)を行います。
倉敷のおすすめゲストハウス
ゲストハウス 有鄰庵(ゆうりんあん)
https://yuurin-an.jp/guest_house/
古民家を改装した、和風なゲストハウス。美観地区の真ん中にあり、観光にも便利です。
宿泊客はウェルカムドリンクとして、カフェメニューにあるドリンクを1杯無料で頂けます。行列ができる”しあわせプリン”は売り切れる場合もあるのでお早めに!
チェックイン時間18:30には宿泊客全員が集まり、宿の説明を聞いた後、自己紹介タイムがあります。(自由参加)
宿でご飯を作ったり、みんなで晩ご飯を食べに行ったり、飲んだり、交流型ゲストハウス。旅好きな人も多く、色んな人と話すのが好きな方にはおすすめのゲストハウスです。
日中はカフェになっているため、チェックイン時間が遅めですが、カフェ営業中はチェックイン前でも後でも共同スペースを自由に使えます。
ボランティア参加者は、チェックイン前でもシャワーを借りることができます。
宿泊費が半額になるボランティア割引プランは2019年3月31日まで。
人気の宿なので、土日や連休は早めの予約をおすすめします。
災害ボランティアについて言いたいこと
「災害ボランティアに行くなんてすごい」
そう思われている方も多いのではないでしょうか?
子供の頃、学校の近くを掃除したりするボランティア活動は行事の一貫としてやったことがある人も多いはずです。
しかし、そこに「災害・復興」とつくと、なぜか急に、自分には到底出来ない事かのように思えてしまいます。
今回同じ宿で、同じくボランティアに参加していた女性と沢山話したのですが、それは「日本人の真面目な気質」によるものなんじゃないかと。
傷付いている人にどう接していいか分からない、きちんとした目的意識がないといけない、そう思う人が多いのかもしれません。
真面目すぎるのはいいことだけど、真面目すぎるせいで日本にはボランティアが身近に根付かないのかな?
現に私はボランティアに行くと言うと、周囲や同じボランティアの参加者から「なぜ行くの?」「なぜ来たの?」と参加する理由を尋ねられることがしばしばあります。
私は単純にみんなそこで何か助けになりたいから来ていると思っているので、初めはその質問の意図がよく分かりませんでした。
真備までは私の家から高速で1時間と近いので、毎回「近いから」と答えるのですが、そう言うと相手は何とな~く「しっくり」きていない雰囲気を漂わせるんですよね。
なぜだろうと考えたところ、多分「ボランティアをする人は立派な考えがある」とか、そういう大義名分が立つような答えを求めているような気がするのです。
はっきり言って私は立派な理由なんてありません!し、なくてもいいと思います。
現に、ボランティアでお伺いしたお家の方から、ボランティアに来た理由なんて聞かれたことは一度もありません。
災害に遭われた方は、来てくれること自体に感謝してくれるので、理由なんて気にならないのだと思います。
他の人から理由を聞かれたら私も聞き返すのですが、「就職活動のアピールになるから」という学生もいたし、「高速無料の内に来て観光もしたいから」という方もいました。
被災された方にとっては不謹慎かもしれませんが、それでもその方達の役に立っていることは間違いないので、私はその理由が別に悪いとは思いません。観光することも復興の1種だし。
私が行く理由も「近いから」なので、これが北海道や沖縄だと行くのは難しいと思います。
あと稀に「お金あるね」的なことを言われるのですが、これ、むっちゃ腹立ます!(# ゚Д゚)
はっきり言って、派遣の事務でボーナスも無い私の給料なんて、同じ年代の人が知ったらドン引き間違いなしです;。おかげで現在、クラウドワークスで内職程度の給料でWebライターもしてます笑。まぁそれはそれで楽しんでやっているのも事実ですが。
先程書いた同じ宿の女性は、看護師というばかりにボランティアをしてると「やっぱり看護師はお金あるから」と言われるそうで、彼女もやはりめっちゃキレてましたw
もうこれって完全な「ボランティア差別」だと思います。言葉の暴力。
そりゃ日々の食べ物に困るほどお金が無いわけではありませんが、裕福なわけではありません。
何かを選ぶということは、何かを諦めることなのです。
とは言っても、私も活動する前は「ボランティア=時間とお金に余裕のある人」と思ってました。すみません;
実際にはお金はもちろん、時間が無くても来ている人は沢山いました。
平日仕事で、土日毎日来ている人とか、仕事はあるのに毎週東京から来ている人とか。
現在は9割くらいが地元の方ですが。
やっぱり実際自分が経験しないと分からないことって沢山あります。
ボランティアは自主的にするものなので、ここでみんな行きましょう、というつもりはありません。
ただ、こういうものだと知って頂きたいのと、行きたいと思っている人の第一歩の手助けになれば嬉しいと思います。
【おまけ】真備を走るかわいい一両電車
現在のボランティアセンター(真備いきいきプラザ)は、井原鉄道井原線「川辺宿駅(かわべじゅくえき)」近くにあります。
井原線の線路は真備の田んぼの上にあり、初めてここを走る電車を見た時、思わず「かわいい!」と言ってしまいました。
私の町にも一両電車は走りますが、高架上には無いので、何とも新鮮。
周りが田んぼというのがまたのどかでいい風景。
豪雨災害当時、このホームから見える一帯全てが水に浸かっていたそうです。
ホームの看板にある絵は金田一耕助。
真備は名探偵・金田一耕助が生まれた場所なのです!
本読んだことないけど;
金田一耕助のコスプレをして練り歩くイベントなどもあり、去年も「こんな時だからこそ真備を活気づけよう!」と開催されていました。
袴にハット姿のおじさまは、枯れ専じゃない私ですら「かっこいい!」と思いました(^ω^)
電車オタク、金田一オタクの人も楽しめること間違いなしの真備ですw
地元の人達が、早く元通りの生活を送れるようになることを心より願っています。
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