ナイジェリア|カノの染色工場と博物館と人懐っこい人々

ナイジェリア・カノ観光ナイジェリア

ナイジェリアの首都・アブジャから北へ、「カノ(Kano)」という町へ向かう。

先に書いておくけれど、ここは外務省海外安全HPでは危険レベル4まである内のレベル3「渡航中止勧告」が出ているので、行かれる方は自己責任で。

過去の記事でも書いたように、カノを含むナイジェリア北部ではイスラム過激派組織ボコ・ハラム等のテロ・誘拐が多発しているし、2年前にはここのバスターミナルで爆発テロ、50人以上が亡くなっている。

私も本来カノには行く予定を入れていなかった。

ただアブジャで1つくらいビザが取れるだろうという甘い考えから、それを考慮したナイジェリア通貨を用意していたのだけど、ビザ全敗のため通貨がかなり余ってしまい、お金を減らすために一応気にはなっていたカノにも行ってみることに。

※ナイジェリア通貨は弱いので、余ったお金を再両替する時にかなりレートが悪くなる。(USドルが結構あるのならそれ程ナイジェリア通貨を用意する必要も無い)

ナイジェリア人はよく謝る?

アブジャからはカノへは宿の人が朝6時にバスターミナルに行った方がいいと言うので、朝5時に宿を出発。

暗い内に出るということで、前日に宿のオーナーに彼の友達だと言う信頼出来るタクシーを予約して貰ったのだけど、それでもやはり真っ暗な中走るので「この運転手、本当に信頼していいの?」とバスターミナルに着くまではすごく緊張していた。

6時前にバスターミナルに着き、ほぼ待ち時間無く出発。

6人乗りの乗用車に7人乗るという、ナイジェリアではそこそこまともな乗車人数。

しかしナイジェリアの道は未舗装の場所はガタガタだし、舗装されていようが穴だらけでとにかく道が悪い。

気を抜くと窓や天井に思いっきりガツンと頭をぶつけるのだけど、そんな時必ず乗客が「Sorry!」と言ってくれる。

一度「いや、あなたが悪いわけじゃないから大丈夫だよ」と言ったのだけど「ナイジェリアは色んなところが悪い。」と、こんな国でごめんよ、という雰囲気の答えが返ってきた。

この時だけではなく、私が自分で物を落とした時も、私の不注意でぶつかった時も、結構向こうから「Sorry!」と謝られることが多いので驚く。

日本人は結構謝り慣れしているところがあるけれど、海外って謝る文化が無い国も結構多い。

海外を旅していると「この国好きかい?」と聞かれることはよくあるのだけど、ナイジェリアでは特に多かったように思う。

これまでひどい目にもあってないので「うん、好きだよ」と言うのだけど「そうか・・・」と毎回みんなあまり納得していないような顔をする。

その度に「あなたはどう思うの?」と聞くと素直に「あまり好きじゃない」という答えか、「う~ん・・・」と言葉を濁されて終わったりする。

日本で流れるナイジェリアにニュースなんて悪いニュースしか無い。

母国が外国人からどう思われているか知っているからこそ、「Sorry」という言葉がついて出るのだろうか。

「ナイジェリアはいい国だ!」と自信満々に言ってきた人は国境の職員と道を聞いた警察官達くらいである。

そりゃアンタら、あれだけ賄賂徴収してたらね・・・。

いつか一般庶民も、自信を持って自国が好きだと言えるような国になるといいのだけど。

車は定員オーバー1人分と言えど、運の悪いことに私はそのオーバーした部分に乗っていたので、キツキツの車内を約5時間耐えて無事「カノ」に到着。

しかしナイジェリア人女性って3人に1人は2人分のガタイがある・・・。

大体途上国なんかでは「太っている=お金がある=モテる」ので、男女共に太っているのはいいことだと思われているので、まぁ仕方無い。

結局のところ、誰だってモテたいのである。

カノの染色工場へ

宿に荷物を置き、早速この町の観光の目玉となっている「染色工場」へと向かう。

アブジャではミニバスやシェアタクシーが庶民の足になっていたけど、ここでは「KK」と呼ばれるオート三輪のタクシーが主流。

道路いっぱいにKKが走り回っていて、常にKK渋滞でタイにいるような錯覚に陥る。

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なかなか雑につけられたナンバープレート。

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しかしカノ、もっと田舎だと思っていたけれど、活気があって、排気ガスがひどく、埃まみれで、ゴミが多くて、、、まぁそういう場所;

「Kofar Dye Pits(染色工場)」

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昔ながらの製法で服を染色する工場。しかし行く前に話には聞いていたけれど、現在は観光客用にちょっとだけやっていますよ~という感じだった。沢山ある穴の使われているのは数カ所だけ。

ヤギもすたすた・・・。

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近くのベンチに座ってぼ~っと眺めていると、1人のおじさんが「藍染めTシャツを買わないか」と声をかけてきた。

「買わない」と言うものの、「すごく安いから見るだけでも」と言うので、現状3枚持っているTシャツの内、1つが穴だらけになっていたことを思い出し、とりあえず見せてもらうことに。

見せてもらったTシャツは藍染めでちゃんと模様も施されていたのだけど、Tシャツそのものがデザインもサイズもバラバラで完全に古着。

大きすぎたり生地が薄かったりする中、何とかまともなものを見つけて値段を聞くと「500ナイラ(約150円)」と言う。

安い!けど、安かろうがそこまでこれが欲しいという意欲も無かったのでやっぱりゴメン、と帰ろうとすると「300ナイラ(約100円)でいい。」と言うので何だか可哀想になって結局買ってしまった。

そんなに安くして元が取れてるのだろうか。

染め物をするおじさん。

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カノの町歩き

薄い黄土色に緑の色合いが可愛いモスク。

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このモスクの前には「ブランコ広場」がある。←私が勝手に名付けた。

ブランコしか無いので、「公園」ではなく「ブランコ広場」というのがしっくりくる。

道端にブランコがずらりと並んでいて、子供から結構大きな大人まで、きゃいきゃいはしゃぎながら遊んでいる。

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このブランコが日本とは違う「2人乗り」で面白い。

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もっと沢山写真を撮りたかったのだけど、突如現れた外国人に子供も大人も群がってきて一瞬にして取り囲まれたのでこれは目立ちすぎてる!とさっさとその場を離れた。

カノの歴史博物館「Gidan Makama Museum」

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カノの歴史などを紹介した博物館。

中に入ろうとすると、スタッフらしき男が「入場料は1,000ナイラ(約300円)だ」と言う。

高くはないけれどロンプラにはその5分の1の「200ナイラ(約60円)」とあったので、なんじゃそりゃと踵を返してさっさと帰ろうとすると「500ナイラだ」と言う。

まぁ安いからそのくらい払ってもいいのだけど、男の「外国人価格があるんだからそのくらい払って当然」というような高圧的な態度に腹が立ったのと、そこまでこの博物館に興味が無かったのとでやっぱり帰ろうとすると、門のところでさっき挨拶をした警備員らしき男性が「どうしたんだ?なぜ入らないんだ?」と声をかけてくれた。

事情を説明すると「それはおかしい!」とすぐ警備員が男のところへ話しに行き、結局正規の料金200ナイラで入れることができた。

何だかんだでナイジェリア人って、いい人多いんだよなぁー。

ちなみに地元民価格は100ナイラだけど、こういう国は大体、現地人価格と外国人価格が分かれているのが普通。

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展示物にはこれといって面白いものは無かったのだけど、中庭のような場所でなぜかダンス・カラオケ大会が行われていてそれが面白かった。

ベナン同様、下半身を前後にカクカクと高速で振るあのセクシャルダンス・・・。

更に音楽の途中でロボットダンスのように全員「ピタッ」と止まったりするのでこれがまた面白い。

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カメラを構えている私を発見して、私の前であざとく「ピタッ」と止まる男性。

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女性も踊るけど、女性の踊りはそれほど激しくなかった。

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私がダンスを笑いながら見ていると、10代前半くらいの男の子が話しかけてきて「Shall we dance?」と言うではないか。

ここがナイジェリアでなければ別に一緒に踊ったのだけど、とにかく目立つことを警戒している私。

「恥ずかしいからいいよ」と断るものの、「どうして?一緒に踊ろうよ!」と何度も誘ってくる。

その状況を見て、他の子供達も我先にとばかりに「Shall we dance?」と声をかけてきた。

う~ん、人生でこんなに多くの男性からダンスに誘われたことないよ!(全員子供だけど)と、半ばお姫様気分に浸る34歳。

↓ダンスを誘ってくれた子供達。

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私があと10歳若ければ!と思ったものの、10歳では足りないことに気付いてしまい若干落ち込む34歳。

一回り以上は離れてるよな・・・。

カノの町に来て良かったのは、民族衣装が沢山見れたこと。洋服の人も多いけれど、イスラム服の人も少なくない。

男性はこの子達のように長めのシャツに円柱型の帽子。

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この子は鮮やかな色の服だけど、基本的には白やクリーム色など、薄い色の服が多い。

写真を撮っているとまたどんどん子供達が集まってきた。

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「俺達も撮ってよ!」

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女性達は男性とは逆にかなり派手!

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左から2番目のムスリム衣装の女性以外は原色使いでかなり鮮やかだった。右の2人のように頭を布で大きく覆っている女性も多い。

お揃いの柄で仕立てた服を来た姉妹。

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「チェケラッ!」な女性。

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この女性のメイク。

眉毛がガンダムになっているのだけど、このメイクは普通に見かける。流行りなのか文化なのか謎・・・。

もっとダンスを見たかったのだけど、ずっと私の周りに子供達が群がっているのでそろそろヤバいかな・・・と広場を後にするものの、結局子供達はぞろぞろと私についてくるので、ろくに展示物も鑑賞せず退散。

まぁじっくり見るほどのものも無かったのだけど。

カノの宮殿をちょっとのぞく

その後博物館近くにあった「Emir’s Palace(宮殿)」に立ち寄ったのだけど、入口で警備員に「政府の許可が無いと入れない」と言われる。

どんな場所か知らなかったので、入れないならいいやと帰ろうとすると警備員数人との雑談が始まる。

警「結婚しているのか?」

私「してるよ」←嘘

警「子供は何人いるんだ?」

私「2人だよ」←嘘

警「たった2人?俺なんて17人いるよ」

私「はっ!?17人!?どういうこと?奥さんは何人?」

警「1人だよ!」

私「You are strong….」

警「Ha ha haー!!!」

後で考えると彼の年齢からしても奥さんが1人だと到底無理だから、冗談だったのだろうけど、なぜかここから警備員達が「俺は◯人子供がいる」という「子供多い自慢」が始まり、最終的になぜか「写真を撮らないなら中に入ってヨシ」となってしまった。

別にここも大した興味があったわけでもないけど、入っていいなら入ろうと中へ進むと、更に次の入口で警備員に止められ「許可証がいる」と言われる。

じゃあいいや、と帰ろうとするとたまたま通りかかった別の男性がここに住んでいるから、と話をつけてくれて結局中に入ることができた。

ただ、入っても目ぼしいものは何も無い・・・。

↓話をつけてくれた男性。(多分賄賂を払ってくれたのだと思う)

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この更に中に入ると王宮があるらしいのだけど、入れたのはここまで。

敷地は広く小学校や住宅も入っているのだけど、ここに住んでいるのは身分の高い人なんだろうか。

敷地内で会った家族も身なりが良かった。

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民族衣装(宗教服?)ってやっぱりカッコいいなぁー!!

カノには「Kurmi Market」という大きな市場があるのだけど、そこへ行く前に立ち寄った「Bata Market」で人混みと排気ガスにやられ力尽きてしまった。

バタマーケット(Bata Market)

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ナイジェリアはどの町の市場も、人でごった返していて活気がある。

広場に店が広がっているタイプではなく、どちらかと言えばモロッコのスークのような感じでメインとなる少し広めの通りが何本かあり、そこから左右に人1人通れるくらいの細い路地が広がり、小さな店がひしめき合っている。

日用品から食品まで何でもあり。

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ノーモアボコハラム?(ボコハラムはもういない)

空気汚染がひどいカノの町だけど、大通りを外れるとのんびりしたもの。

↓宿の前の道には常にヤギがうろうろしていて微笑ましい。

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インスタントヌードル工場の壁に描かれた絵。

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緑のヤツ、絶対ゴムゴムの実食べてるよな~。

新しいTシャツを買ったため、ここでお別れしたインドで買ったTシャツ。

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虫に食われたわけではなく、ただ着ていて空いた穴。

肩部分が「ん?それオフショルダー?」ってくらいに穴が広がっていたので、さすがにそろそろ女としてこれ着るのどうよ?と思い始めていた。

だいぶ怯えながら来たカノの町だったけど、実際行ってみると普通に平和だった。

まぁテロなんて誰にも予測がつかないから運としか言いようがないのだけど、一応ここ2年の間カノではテロは起こっていない。(ただもっと東部のカメルーン国境辺りは現在も頻繁にテロが起こっているので絶対に行かないように)

カノではラマダン明けの祝日に大きなお祭りがある。

それは知っていたので、テロを警戒してあえてその日を避けて来たのだけど地元の人数人に「もっと早く来れば良かったのにー!」と言われ、ちょっと後悔した。

「ボコ・ハラムが怖くて、、、」と言うと、「ノー モア ボコ・ハラム!(ボコ・ハラムなんてもういないよ)」と言われたけれど、まだ壊滅はしていないから今ここにいないからもぅ来ないとは限らないしね・・・。

※ボコ・ハラム=凶悪なテロ組織。
私のリアルタイムはナイジェリアを抜けて、現在南アフリカなのでご安心を。

アブジャからカノの行き方

ニャンニャの宿~アブジャバスターミナル「Jabi park」
タクシー 約40分 3,000N

宿のオーナーの友達タクシーを予約。言い値で3,000だったけどまぁ安くもなると思う。一応その時間でもバスやタクシーも走ってはいるが本数は少ない。

アブジャ 6:00発~カノ 11:30着
シェアタクシー(7人乗り) 約5時間半 3,000N

定員集まり次第出発。6時前に着くとほぼ待たずに出発。6人乗りに7人乗車。最後尾はきつい。普通の乗用車サイズのシェアタクシーは沢山あったので7時くらいにバスターミナルでも良かったのかもしれない。

カノのゲストハウス

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「Ecwa guest house」
064631410
1 Mission Rd.

シングルシャワー付き:2,200N~

設備:水バケツシャワー、ファン、レストラン併設

行き方:アブジャから来て降ろされた場所からはKKで約15~20分、200N。Ecwaと言うと分かってくれたけど「Ecwa eye hospital」「Kano pillars stadium」などでも通じやすい。

その他:デポジットで1,000N必要。新館は4,000Nくらいで高いがきれい。

宿泊日 2017.7.1~2泊

カノ宿

カノ観光情報まとめ

●Kofar Dye Pits(染色工場)
宿からKKで150~200N。「Kofar Mata」と言えば伝わる。インディゴ染めTシャツ500N→300N。

●Gidan Makama Museum
入場料200N
外国人は500Nと言われるが、入口の守衛さん?に聞くと助けてくれて結局200だった。

●Emir’s Palace
入るには賄賂が必要だが入ったところで何も無い。

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