12日目:Khumjung クムジュン 9:00~Namuche ナムチェ 11:50
歩行時間:3時間10分(迷った時間込)
クムジュンに1泊した理由は、ネパールの国鳥「ダンフェ(ダフェ)」を見るためである。偶然前日に見ることが出来たが、もう一度しっかり見たかった。
ダンフェとは標高2,400m以上の土地に生息する鳥で、日本名は「ニジキジ」、英名は「Imperial Pheasant(帝王キジ)」。
朝と夕方見られるとのことだったが、泊まった日の夕方は霧がかかっていたため、探しに行くのは翌日の朝にした。どうせこの日は2時間くらいで着くナムチェまでしか行かないため、ゆっくりしても大丈夫だ。
宿の人によると、朝7時から8時くらいの間で畑の方で見られるとのことで、荷物を置いたまま朝7時に出発した。
(余談だが、前日の夜はもの凄く寒かった。標高関係無しに、夜はどこでも寒いというのが身に染みた)
あ、おはようございまーす。
宿を出て左の方に行くといる、ということで、昨日見た辺りまで戻らないといけないかな~と思ったものの、歩き出して数分。
いたー!!!(゚д゚)!
普通にいたー!!!;
火を吹け!4年ぶりに使われる私の望遠レンズ!!!
撮れたー!!!( ;∀;)
前日と比じゃないくらい綺麗に撮れたー!!!( ;∀;)
うっ美しい・・・。
ちなみにダンフェの写真は全て、見やすいようにトリミングしているものはあるものの、アートフィルターや色調補正などの加工は一切していないということを前述しておきたい。
あっ逃げた。
警戒心が強いのか、少し近寄るとすぐ逃げられる。
しかしとにかく、本当に「美しい」の一言に尽きる。
冬に入る前のこの時期、畑に作物は無く、木々も葉っぱを落としているものが多い。白い石垣で区切られた畑にはうっすら霜が降りていて、まだ太陽の光が届いていないこの村はキンと冷たい空気が広がっている。そんな中、他の鳥とは少し違ったダンフェのカン高い鳴き声が静かな村に響き、青く光る羽と金色の尾は、異彩を放って目に飛び込む。
よって、ダンフェがそこにいるなら見つけるのは至極簡単である。
畑には数羽のダンフェが草を喰んでいて、私は興奮しながらその美しい鳥に見とれていた。
ん・・・?
何か違う鳥もいるな・・・。
ダンフェに混じって、茶色いうずらのような鳥が目に入った。
後で宿の人に聞くと、極彩色の方がダンフェのオスで、これはメスとのこと。
メスの気を引くために、オスの方が派手なのは鳥類や動物界ではよくあることだけど、こうも違う雄雌を両方見比べたのは初めてだったため、「これが同じ鳥なのか~!」と自然界の凄さに改めて感動してしまった。
むしろオスよりもうまく撮れてしまったメスのダンフェ↓
今の時期特に周りと保護色になっていて、オスより見つけるのが難しいと思う。オスは6、7羽くらい見れたのに対し、メスは2羽と、数も少なかった。
日本名で「テイオウキジ」という名の通り、かっこいいなぁ~。
正面の顔はちょっとイカつい。
近づきすぎるとすぐ逃げられるため、岩陰に隠れて撮ってみた。
よく見ると羽の一枚一枚が青から水色のグラデーションになっている。
何度も言ってしまうが、本当に美しい。
形も丸々としていて、何だかかわいい。
動画も撮ってみた。鶏のような動きが面白い。
朝8時も過ぎ、太陽の光が村に降り注ぐと、ダンフェの青い羽に光が反射し、より一層美しく見える。が、それは同時に天敵にも見つけられやすいということ。日光で周囲が明るくなると同時に、ダンフェはどこへともなく散り散りに去って行った。
もしダンフェを見たいのなら、やはり夕方より朝がお勧め。
夕方はほぼ霧が出るし、ナムチェから日帰りでダンフェを見に来るトレッカーが多い。このダンフェの警戒心からして、人通りが多いと、見れたとしてもそれ程近くでは見れないと思う。
その点、朝ダンフェに鼻息荒くカメラを構えているのは私一人だった。
私が見れた時間は朝7時~8時だったが、「太陽が出てから日光が村に届くまでの間」という感覚。それ以外の時間帯でも曇ってたり霧が出てたりすると見れるかもしれない。日中でも鳴き声はするので、どこかに身を潜めているのだろう。
村に戻り、宿の人に「ダンフェ見れました!」と報告。
宿の人曰く、昔はもっと沢山見れたけど、やはりどんどん見れる数が少なっているとのこと。増えた観光客のせいか、はたまたあの鮮やかさ故のせいか・・・もしかしたら数十年後には幻の鳥になっているのかもしれない。
昨日は霧に包まれていたクムジュン村。
仏塔の周りでは子供達の集会場。
共同の水場。服も、食器も、体も、みんなここで洗う。
丘の上からのクムジュン村。
意外と宿も多い。
ここも地震で多大な被害があったものの、現在は瓦礫などは見当たらなかった。宿泊客が少ないのはもっと都会(?)なナムチェが近いからか、それとも今の時期だからだろうか・・・。
宿の人にお礼を言って、ナムチェ行きの道を尋ねると、目の前にある丘を真っ直ぐ、と言われた。
獣道しか無い丘だったため、「ほんとに大丈夫かな~(;´Д`)」と思いつつも出発。
クマルさんがいないため、久々に10kg近いバックパックを背負って丘を上る。
う~ん、きつい。
どんどん進むと、少し開けた眺めのいい場所に。
う~ん・・・。
迷ったな(´Д`;)
真っ直ぐ進んで行くと、道どころか断崖絶壁にぶち当たった。
とりあえず来た道を少し引き返し、景色を見ながら朝ごはん代わりのクッキーを貪る。
更に引き返すと、上の方から何やら声が聞こえてきたので、重い荷物でひぃひぃ言いながら上へと上る。
上った先にようやく人口建造物が見えて安心するものの、着いたのは木々が鬱蒼と生い茂る建物の裏;
その建物は3mくらいある高い石垣で覆われていて、全貌が見えないものの、人の楽しそうな話し声が聞こえてくる。木々を掻き分けて、ようやく建物の隣りに出ると、それは「ホテル・エベレストビュー」だった。
ナムチェからクムジュンに向かう途中(海抜3,880m)にある、その名の通りエベレスト山群が見渡せる日本人が建てた高級ホテル。この丘にはこのホテル1軒しか無いため、恐らく現地人でも知らない人はいない。
宿泊費が高い高いと聞くものの、一体いくらするかは誰も知らないので、調べてみると全室12部屋しか無く、ツアーでしか泊まれないらしい。そりゃ誰も知らないはずだ。
マウンテントラベル ヒマラヤ観光開発株式会社
遠目で見ると要塞のよう・・・。
近くで見るとますますその全貌すら分からない・・・。
まるで「貧乏人には用が無い」と言わんばかり(;´∀`)
ホテルの隣りのビューポイント。
う~ん・・・どれがエベレストって言ってたかなぁ・・・;
ナムチェへ戻る。
かなり山肌の道を歩く。
村が見えた!!
こう見ると天空の都市のようだなぁ~。
もう少し下ってようやくナムチェに到着。
感覚がマヒして、かなり都会に見えてしまう。
出発時と同じ宿にチェックインして、お昼ご飯は前にモモを食べたローカルレストランへ。
タントゥク。
ワンタンの皮のようなものが入った野菜スープ。
基本的に塩と野菜の旨味という感じであっさりしててかなり好き。
ネパールのローカルレストランは、下手な観光客用レストランよりも美味しい場合も多い。
この日は「ティハール」というお祭りの初日で、村のいろんな所で音楽が鳴り響いていた。
地元民に「ティハールってどんなお祭りなの?」と聞くと、「子供達が歌や踊りをしてお金を貰う日だ」と言われた(;´∀`)
もっと宗教的な意味で聞いたんだけど・・・と思ったが、まぁ確かに秋にやる子供神輿や獅子舞も、家を回ってお捻りを貰うのだけど、未だに何のためなのか私は知らないので、そんな感覚なのだろうなと思う。
ホテル前の広場から歌が聞こえたので行ってみると、綺麗な民族衣装を来た子供達が、、、って!
半袖!?Σ(゚Д゚;)
寒い寒い!!見てる方が寒い!!;周りみんなもっこもこのダウンだよ!?
ここ、標高3,400m!!
しかも既に昼過ぎで霧がかかっているため、ことさら寒い。
その上、数人が後ろで歌を歌っている間、薄着の子供達はこのポーズもままずっと停止; まだ動いていれば寒さも和らぐだろうが、一向に動く様子も無く、そのまま歌が終了。
歌が終わって、ようやく踊りが始まるのかと思ったら、そのまま踊ることなく袖に引き上げて行った・・・。これやれって言われたら拷問だなぁ・・・;
一旦引き上げて、暫くしてようやく踊りが始まった。
踊り自体は民族的なのかもしれないが、やはり生演奏ではない、それも音の割れたスピーカーからの音楽というものには私はあまり興味が無かったため、少し見てからその場を後にした。
店先でお母さんが、お祭りの時に食べるお菓子?を作ると小麦粉のようなものを砕いていた。
「Everest Bakery(エベレストベーカリー)」
トレッキングで頑張った自分へのご褒美に!
出発前に行った向かいの「NAMCHE BAKERY CAFE(ナムチェベーカリーカフェ)」のチーズケーキで失敗したため、今回はこちらで。店内は薪ストーブで暖かく、人も多い。始めからこっちにすれば良かった。
美味しそうなパンやケーキが沢山あり、迷いに迷って結局チーズケーキに再チェレンジ。
チーズケーキとマサラチャイ。見た目はまずまず。
ドキドキしながら一口。
美味しい!!!
・・・と思ったのは半分くらいまでで、途中で甘さにやられて最後は無理やり食べる・・・という感じだった( ;∀;)
まぁマサラチャイはスパイス効いてて美味しかった。
ここはWiFiも無料で使えるため、Skypeで宿に電話して帰りの航空券のリコンファームをお願いした。
店を出てすぐにある路上コーヒースタンドで、トレッキングで頑張った自分へのご褒美にコーヒーを注文。
あぁ・・・
ここのコーヒーは間違いなく美味しい・・・( ;∀;)
エベレストベーカリーでもエスプレッソマシンを使ってたから、ちゃんと美味しいのかもしれないけど。
そして夕食にはトレッキングで頑張った自分への・・・(略)
前々から決めていた、「レストランで一番高いものを食べてやる!」という野望のもと選ばれた、
バフ(水牛)ステーキ
690ルピー。
日本円で700円ちょいと、日本感覚だと安いものの、常に1食100円くらいのトゥクパを食べている私にしてはかなり高級品。この1食の料金で通常7食は食べれるのだから。
実際には一番高いものは他にもあったのかもしれないが、「肉が食べたい!」と思っていた私にはこのメニューしか目に入らなかった。水牛かチキンを選べて、肉が固い水牛よりもチキンの方が美味しいだろうというのは明らかだったが、どうしても牛的な赤身の肉が食べたくて水牛に。
夕食時に「ジュウ~ジュウ~」という派手な音を立てて、私のもとに運ばれてきたバスフテーキ!!
うわ~っっっ( ;∀;)
そんなに大きくはないけどがっつり肉!!!
チーズかかっててまた美味しそう!!!
見た目で既に感激しつつ、ゆっくりとフォークとナイフを入れて一口。
ううー(゚д゚)
まぁーーー(゚Д゚)
いぃーーーーヽ( ;∀;)ノ
宿の結構高めなレストランだけあって、焼き具合もちゃんとしてるのか、柔らかいとまでいかないものの、固くなかった。
もちろん日本で食べるステーキとは比にならないが、過酷なトレッキング後の今のような、「この時、この場所で食べる美味しさ」というものは、時々他の何にも負けない美味しさになる。
・・・とまぁ、まるでトレッキング最終日のような雰囲気になってしまったけれど、この日が最後では無い。。。最終日は明日。空港のある「ルクラ」まで下り、1泊した後翌朝の飛行機でようやく下界(=カトマンズ)に戻る。
【本日使ったお金】
ミルクティー R50
タントゥク R200
チーズケーキ R300
マサラティー R150
コーヒースタンド・ドピオ R150
バフステーキセット R690
アップルティー R90
宿泊費 R200
合計:R1,830
コメント