トルコの今~テロと治安~

トルコ

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リアルタイムではトルコを無事抜け、ブルガリアにいます。
なので、「今トルコなんて行って大丈夫!?」とご心配の私の親族・友達・ブログ読者様、安心してお読み下さい;
中央アジア(キルギス)に入った辺りから、バックパッカー同士で「で、トルコは行くの?」という会話が頻繁にされました。そう、近年トルコでのテロが多いことから、みんな行くことを迷っていました。迷っていた人達の8割くらいが行くのを断念していたと思います。中には航空券を買っていたけどキャンセルした人も。私も迷っていた・・・というか、正直言って建前上「迷っているフリ」をしていただけで、行くことは決めていました。まぁしょうもない理由なのですが、どうしても行きたい場所があったので、まぁこれは後の記事で。
なのでトルコ編のブログを書く前に、今一番大事なトルコの治安問題について書いておこうと思います。
私だって、トルコが嫌いなわけじゃないのであんまり危ない危ないなんて書きたくないし、こんなことを書くと尚更トルコに行く人が減りそうですが、この後の私のブログを読んで「何だ~トルコ意外と大丈夫なんだ」と楽観視される方がいても困るので・・・。私は大丈夫だっただけで、いつどこで何があるのかは誰にも分かりません。まぁトルコに限ったことでは無いけれども。
ただ、トルコ全土が全て危ないというわけではありません。特にトルコ旅行をご検討の方、どうか最後までお読み下さい。
~近年起きた事件一覧~
2015年7月
トルコ南部のシリア国境に近いスルチ(シュリュジュ)でISによる自爆テロ、31人が死亡。
2015年10月
首都アンカラのアンカラ駅前にて自爆テロ、103名死亡、200人負傷。犯行声明無し、トルコ南東部のガジアンテップに拠点を置くテロ組織がISからの指示で行ったとみられる。
2016年1月
イスタンブールのスルタンアフメット広場近くにおいて自爆テロ、ドイツ人12人が死亡、14名が負傷。ISの犯行とみられる。


2016年2月
アンカラ中心部にある空軍司令部付近において軍車両を狙った自動車爆弾テロ、29人が死亡、80人が負傷。クルド労働者党(PKK)関連組織である「クルディスタン解放の鷹(TAK)」が犯行声明を発出。
2016年3月
アンカラ中心部にあるクズライ地区のバス停留所付近において自動車爆弾テロ、一般市民37人が死亡、125人が負傷。TAKが犯行声明を発出。
2016年3月
イスタンブール市内新市街中心部のイスティクラル通りにおいて自爆テロ、外国人4人が死亡、36人が負傷。ISの犯行とみられる。
2016年5月
イスタンブール、アジア側のサンジャクテペ区において軍のバスが走行中、付近に駐車していた自動車が爆発、8人が負傷するテロ。PKKが犯行声明を発出。
2016年6月
イスタンブール旧市街の市庁舎付近を機動隊車両が走行中、併走していた車両が自爆。一般市民を含む12人が死亡、36人が負傷するテロ。


2016年6月
イスタンブール、アタチュルク国際空港でISによる自爆テロ、45人が死亡、200人以上が負傷。
(ソース:外務省海外安全ホームページ
私は2015年10月に日本を出国しているので、これらの事件がどれほど日本のニュースで取り上げられているのかは分かりませんが、はっきり言ってテロが多すぎる。
特にイスタンブールでのテロは全て外国人も多く集まる場所ということもあり、外国人を狙っての犯行と見られています。
ご覧の通り、ISだけでは無く他の武力組織のテロもあり、ヨーロッパでのテロ犯罪より多いです。シリアとの国境があるため、難民に紛れてIS要因が入国しやすい、また周辺国からIS要因になる人が多いとか、そんな理由らしい。
しかも大きなニュースになっていないだけで、テロが起きているのはこれだけでは無いんです。
私は行く国が決まったら必ず外務省の「たびレジ」に登録します。
(前にも少し書きましたが、登録しておくと知りたい国の情報をメールで受け取れる外務省のメールサービス。海外安全ホームページだけでは知ることのできない、細かい情報や注意喚起のメールを受け取れるので、非常に助かる。1カ国に長期滞在しない場合はすぐ国を変更出来る”簡易登録”が簡単で便利。)
このたびレジは、平和な国だと「あれ?ちゃんと登録したよね?」と思うくらい全然メールが来ないのですが(中央アジアは1通も無かったようなw)トルコを登録して以来、まぁ来るわ来るわ。上に書いた「大きなテロ」以外の、日本では恐らくニュースになっていないであろう小さなテロが頻発しています。
↓以下、私が「たびレジ」にトルコを登録してから受け取ったメールの一部。
2016年8月
・南東部ガジアンテップ県で結婚式の最中に自爆テロが発生、出席していたクルド人を中心に30名が死亡、90人以上が負傷。ISの犯行と思われる。
・トルコ、シリア国境にてIS軍に対し本格的な空爆を開始。
・在アンカラの英国大使館、安全上の理由で閉館。
2016年10月
イスタンブール、バフチェリエヴレル区、警察署の近くにおいてオートバイに仕掛けられた爆弾が爆発、巻き込まれた市民10名が負傷。
あと、2016年7月にはイスタンブール、アンカラ等でクーデター未遂がありました。「未遂」と言っても民間人を含む290人もの死者が出ています。これによってエルドアン政権は「非常事態宣言」を発令。
2016年10月、この非常事態宣言を更に3ヶ月延長することを決定。テロやデモだけでなく、国全体が混沌としているような気がします・・・。
トルコを旅行中現地人何人かには「外国人観光客が全然いないんだ!ほら、来てみると安全なの分かるだろう?みんなニュースに踊らされすぎなんだよ!」と言われたけれど、


こんな時期にトルコを旅行する方がよっぽどのバカか、ニュースに目を向けていない人だろうと私は思う。※もちろん自分も含めて。


こう言うトルコ人は大体黒海沿岸部出身とか田舎とか、テロとは程遠い場所にいる人達なんですが。
そう、トルコ全土が危ないと言うわけではなく、危険な場所というのは主に
・トルコ南東部(ワンを含む)
・シリアとの国境付近(特にガジアンテップ周辺)
・首都アンカラ
・イスタンブール
私が実際トルコを3週間近く旅して感じたのは、上記を除けば比較的安全。カッパドキア、パムッカレなんて平和そのもの(というか人自体少ない)だし、黒海沿岸は行ってないけど近年テロは起こっていないので大丈夫だと思います。まぁもちろん絶対では無いし、空路にしろ陸路にしろ結局イスタンブールは経由するでしょうから100%安全なんて無いんですけど。


・トルコ南東部にあえて「ワンを含む」と書いたのは、私がワンに行こうとした前日にそこでテロがあったので。負傷者は少なく大きなテロでは無かったようですがトルコ人に「今は絶対に行くな」と念を押されたので、行くのは断念しました。
・ガジアンテップにはテロ組織の本拠地があります。
旅中日本人旅行者には全く会わず、初めて会ったのはトルコ最終日、イスタンブールででした。その2人の女性もそもそもトルコに来る予定は無く、ギリシャに行く飛行機がストライキで足止めされたため立ち寄ったとのこと。中国人、韓国人旅行者は見ましたが、欧米人も非常に少なく感じました。
ただ宿泊費やツアー代などが通常よりは安くなっているようなので、その点では旅行しやすいかもしれませんが。
カッパドキアの気球はテロが起こり出す前は130~150ユーロだったそうですが、今はどこのツアー会社で聞いても70~75ユーロでした。乗るなら今!w
何にせよ、全ては「自己責任で」。と書いてまたしても逃げておきます!
それでは皆様じゅうぶんにお気をつけて、良い旅を。

コメント

  1. あこぎすと より:

    本当に、自分がたまたま無事だったからといって、無責任に危険とされている国を安全だと主張する方が多すぎるように僕も感じます。
    旅人だけの情報を鵜呑みにせず、外務省から発信されている情報など、あらゆる角度から世界情勢を鑑みて客観的に安全性を吟味すべきだと、記事を読んで改めて思いました。

  2. >あこぎすとさん より:

    コメントありがとうございます。私も同感です。
    確かにイメージだけで危ないと言われている国もありますが、そう言われるには言われるだけの何かしらの理由があると思います。ありがたいことにこうして私のブログを読んでくれている方もいるので、やはりそういう国を「安全だから行った方がいいよ!」と言い切るのは個人的にちょっと怖いんですよね・・・(;´∀`)
    しほ

  3. 老鼠 より:

    SECRET: 1
    そちらのブログを楽しんでいます。
    SIVASに寄ったのですね。 私達は今年5月に1週間程滞在しました。  本当は東トルコに行きたかったのですが、少しは安全な中央トルコにしました。 田舎の都市はとてもゆったり時が流れ、楽しめました。  DVIRIGI 、KAISERIにもバスで行きました。 トルコの人は親切で道に迷った際はとても助かりました。
    安全で楽しい実の有る旅を。 

  4. >ねずみさん より:

    読んで頂きありがとうございます(*´∀`*)
    私もトルコは東に行きたかったんですよー;けれどこの先暫くは無理そう・・・というか、行ける日が来るのかももはや謎ですね;確かにトルコは小さい町の方がいいですね~♪
    スィワスも他の都市に比べるとバザール付近は昔のまま、という雰囲気があって良かったです。
    しほ

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