シャウエンからショートトリップ「アクチョウアー(Akchour)」

シャウエンからアクチョウアーモロッコ

シャウエンの町を歩いていたら突然1人のモロッコ人男性に「日本人ですか?」と声をかけられた。

モロッコ、特にシャウエンのような観光地のお土産屋さんやレストランでは日本語を話せる人も多いので特に珍しくもないのだけど、その男性の外国人らしからぬなめらかで自然なアクセントを不思議に思って足を止めた。

男性と話すと、シャウエンに住むモロッコのバレーボールの選手で、かつて日本でも3年ほど住んでいてバレーボールを教えていた(教わっていた?忘れた;)とのことでなるほど背が高い。

シャウエンの町は中国人や韓国人も多いのに、かなりそっちよりの顔の私を一発で日本人と見分けたのもそういう経緯があったからだろう。

日本ではどこに住んでいるとか、いつモロッコに来たのだとかよくある会話の後に、私が明日シャウエンの町を出ると知ると、

「アクチョウアーは行きましたか?」と言う。

「アク・・・?何?」

「アクチョウアー。ここからシェアタクシーで1時間くらいで行ける山で、すごく自然がきれいですよ。」

初めはそれ程興味が無かったものの、どうせ次の町へ行くバスのチケットもまだ買っていなかったし、これも何かの縁だと思い、その場で行き方を聞いて翌日そこへ行くことにした。

シャウエンからローカルトリップ「アクチョウアー(Akchour)」でトレッキング

彼の言う通り、シェアタクシーで1時間弱で「アクチョウアー」という村に到着。まぁ村と言うよりもただ「山」。

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タクシーで下車した場所には、観光客は私と私と一緒にシェアタクシーで乗ってきた家族しかいなかったので、とりあえず家族について行く。

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え・・・こんな橋しか無いの?;

橋を渡ったところにカフェがあり、その先には山しか無い。シャウエンの町で会った男性が見せてくれた写真には滝のようなものが写っていたのだけど、道がさっぱり分からないので、このカフェで聞いてみた。

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モロッコの公用語はアラビア語(とベルベル語)だけど、かつてフランスの植民地だったためフランス語が通じる(学校では英語ではなくフランス語を習う)。

更にスペインからの観光客も多いため、観光地ではスペイン語が通じることも。(今更だけどスペインやこの辺りではスペイン語は英語の「スパニッシュ」ではなくスペイン語で「エスパニョール」と言う。)

私はフランス語もスペイン語も出来ないので、カフェのおじさんとのやりとりも困難だったのだけど、滝=水=スペイン語で「アグア agua」なので、「アグア、アグア」で通じた笑。

おじさんが「こっちの道を行くと滝、この道(反対側)を行くとビーチがある」と言うので、こんな所にビーチがあるはずは無いと思い何度も聞いてみると「ブリッジ=橋」だった。更に滝までは片道1時間半、橋までは片道30分と言うので結構なるなぁ・・・と行くのみ迷い、とりあえずそこでミントティーを飲みながら考えることに。

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う~ん、どうしようかなぁ~、、、面倒臭いけどせっかくここまで来たしな~、、、と迷っていると、スペイン人女性が同じくミントティーを注文して席に座ったので話しかけてみた。

私「もぅ滝か橋は行きましたか?」

女性「どっちも時間がかかるから、面倒くさくなっちゃって行ってないわ。何か道もちゃんとしてないみたいだし、ここでお茶してゆっくりして帰るつもり。」

うーん、潔い。

結局私はのんびり迷った末距離が短い橋に先に行って、気力があれば滝へ行くことに。

(橋へ行く道はこのカフェの後、もぅ1軒カフェが現れ、そこの二股の道の左側を歩く。その先は分かれ道は無い。)

片道30分のトレッキング。と言えど、山の斜面に気持ち程度整備された細い道を歩くので、結構怖い。フェンスなども無いので、うっかり足を滑らせるとまっさかさまに崖を転がり落ちてしまうだろう。

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「橋」と言ってもどんな橋なのか全く情報が無かったので、実際その橋が見えた時ようやく「あぁ、あれか」という感じだった。

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岩山をくり抜いたような橋で川の水量が少ないせいで、物凄く高く見える。

写真が分かりづらいけど、実際見てもどこからが水面なのかかなり分かりづらい。

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ただこの橋は遠目で見ると天然の橋っぽくて面白いけど、近くに行くとその上に丈夫な橋が設置されているので大して面白くもない。

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特に橋ですることも無いので橋の上でふ~んと景色を眺め、来た道を戻り、結局滝も行ってみることにした。

滝へ行く道は来た道を戻り、この看板の所から入る。どういう意味か分からないけれど「Aire de repos」というらしい。

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一応ルートを示した矢印があるものの、意外と道が分かれていて分かりづらい場所もあるけれど、大体そういった場所にはカフェかレストランがあったりする。MAPS.MEにトレッキングルートが表示されているけれど、木々が高いせいかGPSが反応しないこともしばしば。

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レストランには炭火タジンがある。町中の観光客用レストランよりも絶対おいしい気がする。食べていないので値段は不明だけど。

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トレッキングルートは川沿いを歩いたり、森の中を歩いたり結構変化がある。川を渡る時は橋が無いので、大きな石や、川に置かれた四角いブロックをぴょんぴょんと飛んで渡る。何か自分がマリオになったかのよう。

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約1時間40分かかり、15時に滝に到着。

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水量は少ないけれど、繊細できれいな滝。

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滝の裏側に入れるのがちょっと面白い。

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曇っていたし、泳ぐにはまだ寒いと思うけれど泳いでいる人もいた。

水はなぜかそれほど透明でも無いのだけど、夏はいいかも。泳ぎたい人は水着持参で。(ただ着替えるのに隠れれそうな場所は無いので、女性は濡れたまま森の奥へ行っていた)

滝の裏がナウシカちっく。

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この滝壺のほとりで何か料理をしているおじさんに「今ご飯を作っているから食べていかないか」と声をかけられた。いくら?と聞くとタダというのでなぜかと突っ込むと、「ここで兄弟とキャンプをしているんだ。もぅ3日目だよ!」と言う。

実際昼ごはんを食べそこねてお腹ペコペコだった私はこの後レストランで食べようと思っていたので、つい差し出されたサラダを味見させて貰うとめちゃくちゃ美味しい。

結局誘惑に負けて「ではでは・・・」と、そのままご飯をごちそうになってしまった。

見た目は今イチなのになぜかめちゃくちゃ美味しいサラダ↓

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↓チキンカレーにパンをつけて頂く。

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ごちそうさまでした!!

一番右が声をかけてくれたおじさん、左が弟、真ん中が弟の友達。弟と歳の差ありすぎて息子じゃない?と思ったけれど。しかしこんな滝しか無い場所で3日も一体何をして過ごしているんだろう・・・。

滝からの帰りに近くの町から遠足で来たというモロッコ女子高生に話しかけられる。彼女達は「いつか日本に行きたい!」と日本に凄く憧れを持っていて、色々質問攻めにあった。

「日本ってアニメばっかり見ている”オタク”というのがいるんでしょ?」

「働く時間が凄く長くて長い休みも取れないって本当なの?」

この2つは海外ではよく聞かれる。

日本の「オタク文化」はもはや国際レベルで知れ渡っている。

仕事についてはヨーロッパ辺りの人からすると残業もそうだけど「長期休暇が取れない」というのが一番理解できない部分らしい。

ヨーロッパは国によるだろうけど、大体2~3週間の長期休暇が取れる。

それでも彼女達は「あぁ~いつか日本に行きたいなぁ~!」と、これが正に恋い焦がれるということかと、輝いた目で私に語る。私には彼女達ほど「ここに行きたい!」という国が無いので少し羨ましくもあった。

帰りはちょうど駐車場にシャウエン行きのバスが停まっていたのでバスで町に戻り、バスターミナルで次の町へ行くチケットを買い、帰りにちまちま買い食いしながら帰った。

シャウエンで食べたローカルフード・かたつむりスープ

旧市街外のこの広場↓付近に安めのローカルレストランが多い。

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「ハリラ」と呼ばれるモロッコの定番スープ、4ディルハム(約44円)。

短いパスタやトマト、ひよこ豆が入っている。内容は店によって違うかな?安くて普通に美味しい。

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プリン 3ディルハム(約33円)

プリン自体はそんなに甘くなくて美味しいというわけでも無いけど、かかっている甘いピーナッツソースがすごく合う!一口目に美味しい!ってならないのに、後でじわじわ美味しく感じた。

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いちごジュース 10ディルハム(110円)

アボカドジュースを飲んだ店で、「ミックスジュース」と注文したらなぜか完全にいちごジュースが出てきた。砂糖は加えているだろうけど、ちゃんといちごをしっかり使っている感じでフレッシュで美味しかった。
(一緒に買ったクロワッサンは美味しくなかったけど;)

そしてこの屋台。

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モロッコ各地にあるらしく、シャウエンでは常に人だかりが出来るほど人気で屋台の近くではモロッコ人が沢山立ってこれを食べている。

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カタツムリ 5ディルハム(55円)←他の町では3Dhだった。

注文すると手のひらサイズの小さい器にガッサリ盛ってくれる。
まぁいいように書けばエスカルゴ・・・。だけど、完全に見た目カタツムリ(;´∀`)

サザエを食べるかのように、爪楊枝を刺して中をくりっと出して食べるのだけど、「くりっ」の部分で既にカタツムリの黒いツノが見えるので、ほぼ見ないようにぱくっと食べる。

味は貝と言われれば貝かな?という感じで、ハーブやスパイスで煮ているせいか意外と臭みは無く、食べれなくもないので全部食べきったけれど、ごちそうさま、と帰ろうとすると

「おい!スープがまだだぞ!」

と呼び止められる。

スープ・・・;

カタツムリのダシが出たスープかぁ~;と、「いらない・・・」と言うと「えっ!?」と、本当にいらないの?という顔をされたので思い直して飲むことに。

これまた思っていたほど臭みのようなものは無かったので意外と飲めるんだけど、まぁ好き好んでまた食べたいとは思わない。

※これは後に会った日本人女性で好きな人もいたので、人それぞれかな。体を温める効果があるらしく、モロッコでは冬場によく食べられるとか。

ポストカードを買ったので、切手も購入。

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これまた珍しい丸い切手。これが標準切手なのかもナゾ。

旧市街入口のアイン門。

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夜遅くは町も静か。

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シャウエンを後に、次回は世界遺産の旧市街がある町「フェズ」へ。

シャウエンからアクチョウアーへの行き方

シャウエン 10:40~アクチョウアー(Akchour) 11:30

【行き】シェアタクシー 約50分 25Dh
※最後の1人だったので待たずに乗れた。

↓アクチョウアー行きシェアタクシー乗り場

【帰り】バス 20Dh
※17:30くらいにアクチョウアーの駐車場から乗車。駐車場外に停まっている時もあるらしい。
帰りはここ↓に降ろされ、ここにバスが数台停まっていたのでシェアタクシーではなくバスでも行けるのかも。

【アクチョウアーでの所要時間】
→橋まで 分岐点から片道約30分

→滝(Aire de repos)まで 分岐点から片道約1時間半~2時間
※分かりにくい道もあるので一応MAPS.MEの地図をダウンロードしておいた方がいい。

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