モロッコ・サハラ砂漠で1泊2日らくだツアー(メルズーガ)

モロッコ

モロッコ・フェズからバスで砂漠の町「メルズーガ」へ。正確に言えばメルズーガを更に過ぎた「ハシラビード Hassilabiad」というサハラ砂漠にある村。砂漠にある村と聞くとどんな辺境の地かと思うけど、水場がある場所に村が出来るので、ちゃんと水や電気もあればレストランやホテルもあって何とWIFIも使える。

大体の観光客はこの町からラクダに乗って1泊2日の砂漠キャンプツアーに参加するのが一般的。各ホテルで予約できて、ホテルやシーズンやツアーのクオリティによるけど私が行った時(4月中旬)は夕方発で夕陽を見て砂漠で1泊、朝日を見て帰って来るツアーが250~350ディルハム(2750~3850円)くらい。千円くらいの違いでゲンナリするのもアレなので、350ディルハムのツアーに参加することにした。

ハシラビードにはバスで早朝6時前に着いたので、ツアーを予約したホテルでしばらく仮眠を取る。

ツアーを予約したホテル「Auberge l’Oasis(オーベルジュオアシス)」。

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ホテルの吹き抜け。砂漠の砂丘が見える。

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昼過ぎに同じ部屋で寝ていたドイツ人女性と一緒に町を少し散策。

宿の前をらくだをひく人が通る。

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珍しがって写真を撮るのも最初だけ。
とりあえずホテルの外がすぐ砂漠なので、砂漠を歩く。

井戸発見。

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でもまぁ、砂漠って何も無いのですぐ町に戻って来た。
ドイツ人女性は砂漠ツアーには行かないと言う。

「だって、砂漠って何も無いしつまらなそう」

とのこと。確かに一理ありそうだな~。まぁ一応行くけど。

砂漠に興味が無いドイツ人女性が、なぜこの町に来たのかと聞くと、ちょうどこの隣町でミュージックフェスティバルがあり、そのために来たのだそう。え!面白そう!3日間くらいあるとのことで私も行こうかと思ったけれど話を聞くとどうもレイブのような感じがしたので結局行かず。伝統的な音楽祭とかなら行ってみたかったけどな~。

※レイブ・・・ダンス系の音楽を一晩中流して踊りまくるパーティー的なイベント。海外の田舎のレイブではまぁちょっと葉っぱ系の物が入る場合も。

バス停。ここでスプラチュールのチケットを買える。

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バス停の場所を聞いた時に「セントラル(町の中心)」と言われたので、どうやらここが町の中心らしい。

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道路も舗装されてきれいな広場がある。だけ。

バス停横の学校。

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村の建物はホテルなどはセメント製もあるけれど、昔からある建物や民家は土とワラで出来ている。

バス停近くのカフェで昼食。チキンとオリーブのハンバーガーとミントティー。20ディルハム(220円)もっと安い気もするけど砂漠価格だとこんなものかな。

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スーパーなどは当然無く、商店はどこもこんな感じ。

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頑張って日本語で書かれているけれど

「スナク」「レストラ

うーん惜しい!でも「レストラソ」って何かテンポ良くて好き。

モスク。

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アザーンが流れるとぞろぞろと村の人達がこの建物に吸収されていく。
みんなモスクに行くので、ローカルレストランや商店は大体アザーンが流れて30分間くらいはほとんど閉まる。

住宅街。

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砂漠の村って感じでいいなぁ~。

村人もいるけど、中心部にいるのはほとんど男性。白いジュラバ(丈の長いローブのような伝統衣装)に白いターバンを巻いていていかにも「砂漠の民」という感じ。

帰りに1人のモロッコ人男性に話しかけられる。話を聞くと、今砂漠にバイクや4駆などが入り込んで困っているとのこと。困っていると言うよりも「砂漠を守りたい」というニュアンス。

「昔はこの町のすぐ近くでもフェネックが見れたんだ。でも今は観光客が砂漠の中までバイクや車で乗り込むから動物も逃げてしまった。もぅこの辺りでフェネックが見れることは無くなった」

※フェネック・・・砂漠に生息するキツネよりの動物。

特にそれをするのはスペイン人が多いらしく、

「こんなことをするのはスペイン人だけだ。他の観光客はらくだで砂漠を歩くのに、スペイン人は砂漠をリスペクトしていない!」

と、スペインのナンバープレートを付けたバイクや車の写真を見せてきて、スペイン人に対しての嫌悪感をぶつけてきた。

一緒にいたドイツ人女性は「分かるわ!彼等はもっと他国の文化をリスペクトすべきよ!」と、物凄く同調していたけれど私は少し複雑な気持ちになった。

もちろん砂漠にそうしたバイクや車が入ることは良くないとは思うけど、それをするのは「一番近くで経済的に旅行に来れるスペイン人」だっただけで、その場所がドイツであればドイツ人が同じようなことをしたかもしれないし、日本であっても近い内には同じようなことをしたかもしれない。

現に場所は違えど、私は日本のスキー場で働いている時に喜々としてスノーモービルを乗り回していた。その時は山に住む動物達のことなんて全く考えていなかったけれど、今ここで思い出してあのモーター音でどれだけの動物が冬眠から起きてしまっただろうと思った。

そしてここに住む村人自身、砂漠を走るバギーを観光客に貸し出している。

「今砂漠内を乗り物禁止にするように署名を集めているんだ。良かったら署名をしてくれないか。」

もちろん私は賛成なので署名をしたけれど、観光業しかほぼ収入が無いであろうこの村で、そういったことが禁止になるのは難しいだろなぁと思う・・・。

↓ホテルの受付近くにあった「砂漠乗り物禁止」推奨ポスター。

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夕方、砂漠ツアーに出発!

私の他、韓国人4人グループと一緒に行くことに。彼等はちゃんとモロッコでビジャブを買ってかなり「それっぽい」格好をしていたので写真を撮らせてもらった。

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いざ、サハラ砂漠へ!
ちなみに「サハラ」というのは「砂漠」という意味なので日本語で書くとちょっと変。

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らくだの乗り心地は、良くはない。どんどんお尻の位置がズレる。ものの、お尻が痛くなるほどでは無かった。尻肉があるから?

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宿からかなり離れた場所でも、見ての通り砂漠にタイヤ痕がある。

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う~ん、これは確かに興ざめかも。
しかもヨーロッパのイースターホリデー期間+音楽フェスティバルが重なって、ちょうど外国人が多い時に来てしまったらしい。

休憩&写真撮影タイム。

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らくだひきの2人。
何かダラけすぎで全然絵にならない。おじいちゃんとかの方が良かったな・・・。

これ、普通のらくだの顔。

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別のらくだ。

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何でこの子だけこんな顔してるんだろう・・・。でもかわいい。

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キャンプ地到着。

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らくだに乗ってたのは1時間20分くらいかな。周りに何も無い静かなキャンプ地。

夕陽。

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下の方が曇っていて完全に太陽が隠れるところまでは見れなかったけど結構良かった。

テントは1グループに1つ。

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私は1人参加だったので1人でテントを使えた。

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電気も付くし、キャンプ地には水道もあったので特に困ることは無かった。
ただトイレは無いので草かげで。

夕陽を見た後のティータイム。

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モロッコティーはイコール砂糖の入ったミントティー。
こういう風に高い位置から注ぐのはミントの香りをよく出すためらしい。

砂漠ツアーは昼発のもあるので、このキャンプ地で既に到着していた観光客とも合流し、私+韓国人9人。ほぼ韓国人だからそうしたのか、ガイドが韓国語を多少話せる。

まぁ多少と言っても彼が堂々と話せると言う韓国語は

「チンチャ(本当にとかマジで?という時にも使う)」

「キムチチゲ」

この2つだけ。はっきり言って私の方がまだしゃべれる。

そして悪いことにこの2つの単語を事あるごとに使いまくるガイド。最初こそ愛想程度に笑っていた韓国人があぁこれが「苦虫を潰したような顔」ということかとなるまでにそう時間はかからなかった。

しかも彼の凄いところはこの「誰が見ても明らかにゲンナリした表情」の人々を前にしても怯むことなく「チンチャ、キムチチゲ」のオンパレード。どうしたらこれほど強靭な精神力を養えるのか彼を育てたお母さんに聞いてみたい。ドSなの?
この時ばかりは日本人で良かったと思った。

夕食が出来上がるのがかなり遅く、観光客同士も結構話すことも話したな~という感じで空腹を紛らわすために夜景を撮影しに行こう!とみんなで砂丘を登る。
しかしここで、先ほどまで韓国人からキムチ漬けにしたろかという顔で見られていた クソキムチチゲガイドが一変してヒーローに!

↓キムチチゲガイドが撮ってくれた写真

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彼は自分のミニ三脚を持っていて、次々に観光客のカメラで星空を撮る!しかもそれがキャノンでもニコンでもサムソンでも私のオリンパスのミラーレスでもちゃんと設定(日本語)をいじって取れるのだから凄い!!

やっやるやんキムチチゲ~!!

ただミュージックフェスティバル+満月に近い、ということで肉眼で見える星が少なかったのが残念。

そんなこんなで夕食。既に10時を過ぎてお腹ペコペコ;
イスラム教の国って基本的に夕食がめちゃくちゃ遅い。

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チキンと野菜のタジン鍋。

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オリーブと野菜の炒め物とご飯!

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もちろんパンもついているのだけど、全員アジア人というだけあってパンにはほぼ手をつけず黙々とみんなライスを食べていた。写真にないけれど、インスタントラーメンも出てきてびっくり!え?ラーメン?と思ったものの、疲れているのでこれがまた美味しい。何だろ・・・アジア人だけだからこういう食事にしたのかなぁ?

どれも美味しかったのだけど量が多くてタジンは結構残っていた。この後りんごとヨーグルトのデザートもついてお腹いっぱい。

韓国人の子達ともいろいろ話して、彼等はそれぞれフランスやスペインの留学生とのこと。イースターホリデーでモロッコに来たらしく、みんな若々しかったな~。

1人の男の子が「これユニクロで買ったんだけど何て書いてるの?」と見せてくれたTシャツにはカタカナで「シブヤ」と書かれていた笑。私が説明すると、彼は「シブヤ!」とようやく分かった、という風に嬉しそうだった。

しばらくしてキムチチゲが「キャンプファイヤーをするぞ!」と言うので外に出て火を囲むものの。

で・・・?;

ただただ火を囲む私達。

火を見てテンション上がる年齢でも無いので、たださっきと同じように話しながら手持ちぶさた。普通は音楽とか演奏してくれるんじゃないの?と思っていたら、キムチチゲが

キムチチゲ「何か韓国の歌、歌ってよ」

と。韓国人の子達は「え?私達が?」という感じで「いや、いいです。。。」

と今度は私を見て

キムチチゲ「何か日本の歌、歌ってよ」

いや、アンタじゃあるまいし韓国人の中、日本人1人で日本語の歌を歌えるほど強靭な精神力は持ちあわせてないわ。

私「何かモロッコの歌、歌ってよ」

キムチチゲ「嫌だ。」

・・・なんじゃそりゃ。

結局ただ火を囲むだけの全く面白くもないキャンプファイヤーは早々に幕を閉じ、みんなで次は月を見に行った。

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星よりちょっと幻想的で良かったかも。

12時か1時くらいにそれぞれのテントに戻ったのだけど、結局1つのグループが3時くらいまでうるさくて寝れなかった;「砂漠の静かな夜」とは程遠い・・・。(後で知ったけど他の韓国人が注意してくれてようやく静かになったらしい)

朝日。

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「さぁ、帰るわよ!」

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キムチチゲにらくだをひかれて帰路へ。

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帰りは他の人は別部隊だったので私ひとり。

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私がサハラで一泊してみての感想。

「砂漠って本当にあるんだなぁ~」

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フェズからメルズーガ(ハシラビート)への行き方

フェズ(Fez)20:30~ハシラビート(Hassilabiad)翌5:40
夜行バス「Supratours」約9時間10分 180Dh

※フェズからメルズーガへの直行バスは「スプラチュール Supratours」のみ。夜車内は寒い場合もあるので上着必要。CTMはメルズーガの手前「Rissani リサニ」止まり。
フェズのSupratoursオフィス(チケット売場)は駅の前。乗り場もここから。

メルズーガ(ハシラビード Hassilabiad)の安宿・ゲストハウス

本当は「ホテルリアドマムーシュ」のバックパッカー応援プランで泊まり、そこで砂漠ツアー(クーポンで300Dh)も申し込みたかったのだけど、予約しようとすると「4月いっぱいはフル」との回答で断念。

4月はヨーロッパのイースターホリデー、モソッコ人のホリデー、メルズーガ近くの町での音楽祭、が重なるので4月に行く方は注意が必要です。

「Auberge l’Oasis(オーベルジュオアシズ)」
www.aubergeoasismerzouga.com
朝夕食付シングル:150Dh(アガディールで予約)
WIFI:部屋可。
行き方:ハシラビードのバス停から徒歩数分だけど、予約しておけば車で無料送迎してくれる。バス車内で寝てても宿の人が乗り込んで起こしてくれるので安心。フェズで「Hotel Agadir(ホテルアガディール)」に泊まっている場合はオーナーに言えば電話予約してくれる。
その他:私は結局1泊もしていない。早朝6時に着き、その日の夕方砂漠ツアー、ツアーから戻ってカウチサーフィンのホストの家に行った。

ホテルオアシズのサハラ砂漠ツアー(4月)

メインとなるらくだツアーは3種類、他にもある。
①11時発、砂漠で1泊:500Dh
昼食、夕食、朝食付き。日中サンドボードのアクティビティ。

②17時半発、砂漠で1泊:350Dh
夕食、朝食付き。

朝6時にホテルに着いてツアー時間まで部屋(ベッド)を使わせてくれた。ツアー前後にシャワー、WIFIも使える。1泊もしなかったけどまぁツアー料金は他より高いからトントンかな?

③数時間らくだツアー:200~250Dh
砂漠泊しない場合も対応可能。

※観光客が少なけば値段交渉もできると思うけど、安いツアーはシェアテントだったりするらしい。砂漠で1泊の場合はどちらもサンセットとサンライズが見れる。朝は8:20頃ホテル着だったけど予め頼めば8時前に戻って来れる場合もあり。(ティネリール行きバスが8時なので)

朝食はホテルで簡単なバイキング形式。砂漠で2泊3日ツアーもある。時期によって出発時間と値段は変動するかも。後で同じオアシズからツアーに参加した人にキャンプファイヤーの時に音楽の演奏があったと聞いてショック。値段は同じだから事前に音楽の有無があるか確認した方がいい。

服装:日差しが強いので帽子・日焼け止めは必須。風が強いと砂も舞うのでサングラスもあった方がいい。私が行った時期は半袖に日焼け防止に長袖シャツでちょうど良かった。夜は寒いけれど毛布の保温効果がかなりあったのでTシャツで寝れるくらい。朝起きて日の出を見るまでが少し寒かったので薄手のパーカーくらいあってもいいかな。

水:オアシズのツアーはキャンプ地に水道があったので生活水は必要無し(要確認)。飲水もあると言っていたけれど、キャンプ地に着くまでは無いし、着いてもみんなでシェアする感じなので自分でも持って行った方がいい。私が行った時期はそれほど暑くもなかったので、1Lの水で足りた。ツアー・キャンプ地によって一切水が無い場所もあるので要確認。

食事:キャンプに限らずモロッコの夕食時間は通常で10時くらいと遅い。キャンプ地でも10時だった。その前にお茶とクッキーは出るけれど、昼は遅めのご飯をしっかり食べておくか、何か食べ物を持って行った方がいい。

その他:持ち物はらくだに乗せるので、重くなっても自分の負担にはならない。砂漠の砂は細かいので必ずチャックが閉まるかばんに入れること。カメラは専用ケースかビニールなどでしっかり防塵対策を。

マラケシュからのサハラ砂漠ツアー

マラケシュから2泊3日のツアー(ホテル1泊キャンプ1泊)もあり、帰りにティネリールなどで降ろしてもらうことも可能。これは後で実際参加した人に聞いたのだけど、色々行って600ディルハムと破格の安さ。

・ワルザザード(アイト・ベン・ハッドゥ)
・ティネリール(トドラ渓谷)
・砂漠でらくだ1泊2日 などを含む

ただ、話を聞くとらくだツアーに関しては散々だったとのこと。
食事が少なくて足りない、テントに数人でざこ寝状態、毛布も薄く夜がかなり寒い、とみんな不満だったらしい。まぁもっと高いツアーなら違うのかもしれないけれど、快適ならくだツアーにしたいのならメルズーガ発が無難なのかもしれない。
砂漠ツアーに関しては次記事にも続きます。

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