さて、またまた国境間の移動です!
西アフリカ・モーリタニアから次の国はセネガル。
モーリタニアからセネガルへは「ロッソ」という町にある国境を通って行きます。
日本人はセネガルではビザ無しで90日の滞在が可能なので、今回はビザの心配はありません。
がしかし!!
この国境、本当に悪名高いことで有名。どう悪いのかと言うと、1にも2にも賄賂を要求してくる!
「ロッソ国境」をネットで検索すると、まぁ出るわ出るわの苦い体験談。
私達二人は、ロッソ国境を越える時の対策として、
・キレない
・アホのふりをする
ということを最初に決め、とにかくお金を要求してきたら、ボサ~っとしようということに。
思い返せば今まで賄賂を要求されたことは、タジキスタンで必要の無い滞在登録をしてないと因縁をつけられた時と、インドネシアからパプアニューギニアの国境でインドネシア側の出国スタンプが無かった時くらい(まさか出国手続きが国境から数十キロ離れた町で行われるとは)。
出来ることならもちろん賄賂を払わずに通り抜けたい。
ヌアクショットからロッソ国境へ行く
まずはモーリタニアの首都「ヌアクショット」から国境まで向かう。
モーリタニア側の国境が12時~15時の間昼休憩に入るという情報もあったため、12時前に着けるように朝7時に宿を出て、大通りでタクシーを捕まえる。
空港北にあるのとはまた違うバスターミナルで、市内(宿)からタクシーで約15分、1人500ウギアだった。
7:25 バスターミナル着
上写真が私達の乗るミニバス。
バスターミナルというか、ただの駐車場のような場所。場所ピン打つの忘れました;
↓バスのチケット
1人2500ウギア(荷物代込)
※バスターミナルには待合室、トイレもあり、冷たいジュースが買える売店もある。
過去の情報ではこの時点からタクシーとの交渉が始まるとあったけれど、私達が行った時はタクシーは無く、普通のバス会社が運行していてチケットに値段表記もされていて、少し拍子抜けした。
「最近の記事じゃロッソで賄賂を要求されている記事も無かったし、もしかすると改善されてるのかもしれない・・・」
まぁ後でこれは大間違いだと気づくのだけど。
8:35 8時発と言われたけど、30分遅れでヌアクショット出発。
11:30 ロッソ(モーリタニア側)着。ヌアクショットから約3時間。
車を降りるなり、「タクシー!タクシー!」とわらわらと人が群がってくる。
が、国境まではここから徒歩10分の距離なので群がる人を掻き分けて国境へ向かう。ここで言う「タクシー」は車の他、馬車もあるし、荷物を運んでお金を稼ごうとする人も。
ロッソの町は道の両側に果物や野菜、日用品の屋台などが立ち並んでかなり賑わっていた。
モーリタニアの国境で3人の男につきまとわれる
11:45 モーリタニア側国境到着
検問所の場所を探している内に1人の男が案内役をかって出た。(この間話しかけてくる人間は山のようにいたけど全部シカト中。今までの経験上国境でいい人がいるわけがない。)
英語が話せるその男は「案内するよ!」と勝手について来るので「あんたにお金は払わないよ!」と何度もクギを指して男に付いて行った。
とりあえずこの男を「帽子の男」とする。
検問所は下のピンの位置にあった。↓
そこにはボロい建物に小さな小部屋が2つ並んであり、まず1つ目の小屋で「出国税」と称する80ウギア(約25円)を支払う。
これも私服のおやじが徴収するのでかなり怪しいのだけれど、隣りに座っている役人も「支払わないと出国できない」と言ってくるのでまぁ安いし大人しく払う。
しかし入国税ならともかく出国税って何?
今から出るのに!確かインドネシアの空港でも払ったなー。
支払い後に貰った2枚の領収書のようなものが明らかに「1人40ウギア」なんだけど、訴えても80だと言われる。10円くらいの差なのでここも深く突っ込まずに次へ行くことに。
※1人につき2枚渡される。この領収書はこの先提示することは無い。
謎のお金を支払った後、すぐ隣りの部屋でパスポートチェックを受ける。ちなみに検問所を案内してくれた「帽子の男」はまだずっと付いて来ている。
パスポートチェックを受けた後、別の場所で役人にまたパスポートチェックを受け、そこでまた私服の新たな男が登場し「パスポートを渡せ」と言ってくる。
過去の情報では賄賂を要求する時、「パスポートを人質に取られ払うまで返してもらえない」ということだったので、渡すのを渋るも「これは俺の仕事だ!」と若干キレ気味に言われ渋々渡す。
このパスポートを奪った男を「青シャツ」とする。
そしてこの間も先ほどの帽子の男はまだついて来ている。
青シャツがパスポートを持って行った場所は今度こそ大きめの建物のイミグレーションオフィスで、そこでようやく出国スタンプを押されることになった。
モーリタニア側で両替(モーリタニアウギアからセネガルセーファーへ)
ここで役人からパスポートを返却されたのだけど、その後帽子の男と青シャツが、
「モーリタニアのお金は海外に持ち出せないし、セネガルでチェックされて持っていると没収されるし、セネガルでも両替出来ない」と言ってくる。
まぁそんなこと無いだろうと思ったけれど、どちらかと言うとセネガル側の方がレートが悪そうだったのでここで両替してしまうことに。(両替は断ることも可能)
帽子の男と青シャツに、更に「腹の出た男」が加わった、計3名が私達を建物の2階の人目のつかない場所に連れて行き、そこで両替の交渉が始まった。
(大っぴらにやると不味いのだろうけど、役人も見てみぬフリだった。)
正規為替レート:1ウギア=1.62CFA(セーファー)
一番始めの言い値はかなり安くお話にならなかったのですぐさま帰るふりをすると、1ウギア=1.5CFAに。
それでも安いので渋っていると、「セネガルでは両替出来ないぞ!」と言ってくる。
ここでエリちゃんが機転を利かせ、「情報通の友達に電話で聞いてみる」という設定で、彼等にも聞こえるように「あぁ、セネガルでも両替出来るんだね!」と英語で電話をするフリをした。
「じゃ、セネガルで両替出来るみたいだからバイバーイ」と荷物を背負って帰るフリをすると「いいよ、、、1.6で、、、」と、何とか正規ルート近くまで持っていけた。
正規レートだと彼等の取り分が無さそうだけど、もしかすると闇レートがあってもっといいのかもしれない。
この時点で青シャツと腹の出た男は消えたので、俺の仕事だとパスポートを奪った青シャツは、役人でも何でもなくただの両替商だということが判明。
しかし、最初からいる帽子の男はなぜかまだ付いて来ている・・・。
帽子の男も両替商の一味だと思っていたのに、彼の正体未だ分からず。
一応何度も案内料は払わないとクギを指しているものの、最後にやはりお金をせびってくるのだろう。
セネガルの国境へボートで川を渡る
12:30
出国スタンプも押され、両替も済んだので次はいよいよセネガルのイミグレーションオフィスへ向かう。
何を隠そう、先人の旅人の多くはセネガル側で賄賂要求されるのである。
しかしそこへ向かうにもまた交渉!
両国間の国境には川があるので、セネガル側へ行くにはこの川をボートで渡らなければならない。
帽子の男曰く「大きなボートは、出るのは16時くらいだよ。小さいボートの方が早く出るけど、セネガルの国境は12時から15時まで休憩時間だから、大きい方で行ってもいいと思うけど」とのこと。
どちらも無料と言っていたけれど、結局小舟の方は料金交渉制だった。
とりあえずここで待とうが向こうで待とうが同じだし、ヌアクショットの宿の人が昼も開いていると言っていたので、小舟で向かうことに。
↓木製の小舟。
しかし船着場に向かうなり、呼び込みの嵐。
この舟の値段がまた無茶苦茶で、5000セーファー(約1000円)と言ってくる人もいれば、2000セーファー(約400円)と言ってくる人もいる。
一番安値を言った人の所へ行き、更に交渉して荷物込みで1人500セーファー(約100円)で交渉成立。これは後で現地の人も500セーファー払っていたので、まぁこのくらいのもんだろう。(過去の情報では荷物込300だった)
私達が乗るのは乗り合いで、高い舟は貸し切りなのかもしれない。
ここでようやく、帽子の男と別れることに。
が、チップの要求も無く、ただただ普通にどこかへ消えていった。
えっ!?最初から最後までいたのに本当に普通に案内しただけ!?
理解できん!本当にただのいい人だったのだろうか・・・。
まぁもしかしたら両替商から数割入るのかもだけど;←まだ疑う。
1:05 出港
舟は満席になり次第出港するので少し待ったけれど、この詰めよう。ボロい木製ボートでこんなに詰め込んで大丈夫なのか不安になる。
セネガルの入国審査はウォロフ語を使うべし!
5分ほどで舟は対岸に着き、下船後すぐ役人にパスポートチェックを受ける。
イミグレーションオフィスに着くと中にいた人は普通に横になって寝ていたので、やっぱり昼休憩あるのか~と思ったけれど、少し待つと別の役人が来て普通にチェックを受けれた。
高野秀行氏の本により「アフリカでは公用語よりもローカル語を使った方がいい」ということを学んでいる私は事前にセネガルのローカル語を調べておいたので、ここぞとばかりに連発。
※セネガルの公用語はフランス語だけれど、その他に地元の言語で「ウォロフ語」というものがある。
すると役人は「おー!ウォロフ語喋れるのかい?」と笑顔で対応してくれ、その後も「俺は日本が好きだ。日本へ行きたい!」などと上機嫌だった。
この時エリちゃんはトイレに行っていていなかったのだけど、トイレに行っていると言うと、エリちゃんの職業なども私に聞かれ、結局エリちゃん不在のまま2人分の入国スタンプが押されたパスポートを返却された。
本人いないのにそれでいいの!?;
セネガル入国後にラスボス登場!
1:20 セネガル入国
ともかく賄賂要求も無く、無事入国スタンプも押されたので一安心・・・
するのはまだ早かった!
この後すぐ、イエローカード(黄熱病ワクチン接種してますよという証明書)をチェックする小屋があり、役人にイエローカードを渡しただけど、ここで私服の背の高いひょろっとした男が登場!
この男を「マッチ棒」とする。こいつがとにかく悪かった。
最後の最後に登場するのが、完全にボスキャラ仕様。
イエローカードを役人に渡すのと同時に、マッチ棒が「パスポートを渡せ」と言う。
過去の情報でここで拒否した人が「モーリタニアに戻れ!」などと言われ面倒くさいことになっていたので、渋々パスポートを渡すも、そのまま食堂?の奥にあるボロい小部屋に連れて行かれ、「セーファー(セネガルの通貨)は持っているか?」と聞くので両替商か?と思い「持っている」と応える。
するとマッチ棒は
「ここで入国税1人2000セーファー(約400円)払え」と言う。
あーそうきたかーと思い、「セーファー持ってない」と言うと「ここで両替しろ」と。
もちろんセネガルに入国税が必要なんて話は聞いたことがない。
たかが400円だけど払いたくないし、何よりこの時の私は1セーファーがいくらかまだピンときていなかったので、そのまま2000円くらいの感覚で考えていた;ので、より払いたくなかった。
怪しんでいるとIDカードのようなものを見せてきて、「俺はちゃんとスタッフだ!」と若干キレているが、そのIDカードが本物かどうかなんて私達が見て分かるはずも無いので信用するには値しない。
とりあえずパスポートを返してと、マッチ棒がまだ手に持っているパスポートを奪おうとすると更にキレて、
「お前たちはここで金を払うか、モーリタニアに戻るかだ!」
と、モーリタニアの方を指差す。
マッチ棒は体こそひょろっとしているものの黒人だし、背が高く、その長い手をぶんぶんと振り回されながら大声でキレられると、そこそこの威圧感がある。
「韓国人も、中国人も、フランス人も、みんなここで払ってるんだ!!」
って、、、その言い方が既に怪しすぎる~。
第一に本当に払わなければいけないものなら、払わないヤツを通さなければいいだけの話であって、そっちがいちいち怒って体力を消耗する必要も無いと思う。
とにかく「役人に確認したい」とさっきのイエローカードを見せた役人のいる場所にマッチ棒と一緒に行き、役人に「本当にこの人スタッフ?払わないといけないの?」と聞くと何も答えず無言でうなずくだけで、後は「我関せず」という態度でどこかへ行ってしまった。
そう。国境の役人とマッチ棒は完全にグルなのだ。
マッチ棒は役人とも顔見知りということを証明したのをいいことに、また「韓国人も、中国人も、、、」「モーリタニアに戻るだけ!」などと常にキレながら言ってくる。
この時私達の周りには普通の人やタクシーの運転手なんかもいたのだけれど、彼等も皆一様にして「ほら、払って早く行こうよ」と言ってくるので私は「もしかして入国税必要になったのか・・・?」という気になってくる。
ここでまたしてもエリちゃんが「セネガル大使館に聞いてみる」と電話をかけるフリを始めたので、私は「じゃあ日本大使館に確認する」と、とにかくそこにいる人に聞こえるように英語で「エンバシー、エンバシー(大使館)」と連呼し、後は当初の作戦通り「アホのフリをしてしばらくぼ~っとしてみよう」ということに。
すると大使館という言葉を聞いたからか、もぅ面倒臭くなったのか、制服の役人が私達に「もぅ行け」と言うなり、マッチ棒は何も言わずにサッとパスポートを返し、すぐさま元来た道を戻って行った・・・。
な、何なん!?(# ゚Д゚)
役人とマッチ棒がグルなのは間違い無く、以下のことが想像できる。
①マッチ棒がそういう商売をするために役人に賄賂を支払っている。 ②マッチ棒の儲けの何割かが役人の手元に入る。 ③役人がマッチ棒に依頼している。
とにかく、セネガルに入国税なんてものは存在しないのである。
(2017年5月現在)
ロッソ国境からサン=ルイ島へ
1:40
私達がマッチ棒にパスポートを人質に取られ約20分、ようやく今度こそロッソ国境を出られた。
安心するのも束の間、まだ国境を通過しただけで、ここから本日の目的地の「サン・ルイ」という町まで移動しなければならないのである・・・ゲッソリ。
セネガル国境からバスターミナルまでは徒歩15分程度だけど、心身共に衰弱していたのもあり、事前に教えて貰っていたバイクタクシーで向かう。(約5分、1人500セーファー)
バスターミナルに到着し、何とか無事バスを確保。1人2500セーファー(荷物込)。
14:15 10分程度待ってロッソ脱出。
16:30 サン・ルイ島バスターミナル着
16:50 タクシーで約10分、サン・ルイ島の宿着。
目星をつけていた宿は個室より安いドミトリーにしようと事前に相談していたのだけど、かなり疲れていたので結局個室で泊まることに。
部屋に荷物をドサッと置き、ドアを閉める。
もちろん変な意味ではないのだけれど、朝からずぅ~っと変なおやじ達が付きまとっていたので、この言葉以外に言いようがない。
そしてこの後ビールを飲むということは確実!
そう、コーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実なのである!
モーリタニア(ヌアクショット)からセネガル(サン=ルイ島)への行き方
①宿~ヌアクショットロッソ行きバスターミナル
タクシー 約15分 2人で1000ウギア
②ロッソバスターミナル~モーリタニア側国境
徒歩10~15分
③国境
モーリタニア出国税 80ウギア
川の渡し船 1人500CFA
※どちらの国境でも両替可能だけど、レートは良くないし交渉も面倒くさいのでなるべくロッソの町にある銀行などで両替しておくのが無難。
④セネガル側国境~ロッソバスターミナル
徒歩15分又はバイクタクシーで約5分、1人500CFA
⑤ロッソ~サン・ルイ島
ミニバス 約2時間15分 1人2500CFA(荷物込)
↓到着したサンルイバスターミナルの場所
⑥サン・ルイ島バスターミナル~宿
タクシー 約10分 2人で1000CFA
ロッソ国境対策
私が文章中に書いている「役人」は全て制服を着ていて、この役人自体には特に悪い人もいなかった。
問題はその周りにいる何かにつけてパスポートをもぎ取ろうとする私服のおやじ達。
パスポートを渡してしまい賄賂を要求されたら、とにかく怒らず、騒がず、ぼ~っと時が過ぎるのを待った方がいい。
セネガルの言語(ウォロフ語)を覚えておこう!
セネガルの公用語はフランス語だけど実際は話せない人も多い。広く使われているのが「ウォロフ語」なので少し覚えておくと喜ばれる。
以下は聞き書いたものなので、発音すると多少違うけど「ナンガデフ?」はカタカナ発音でも結構通じる。
ジュルジュフ(ジェルジュフ) ありがとう ナンガデフ? 元気? マンギフィ 元気です ニャータ いくら? ダファシェールデ 高いよー ワーオ はい デーデ いいえ トゥーティー 少し バーハナ! いいね!
コメント
相変わらず戦ってるねぇ
中南米にも出国税を取る国がいくつかあるみたいね。
こんにちは。よく読ませてもらってましたがコメントは初めてです。
西アフリカ行かれるんですね!なんか色々思い出させてもらいました。辛い事も多いかと思いますが楽しんでくださいねー。ブログ楽しみにしてます。
はい、、、戦ってます;
あー確かに中米とか特にありそうですね~!(;´∀`)
取るなら入国時に取ればまだ納得できるのに何なんでしょうねー。
しほ
コメントありがとうございます!
セネガルからは少し飛行機使うのでまだ楽ですが、西アフリカ初っ端でコレはちょっと先が思いやられました;でもまぁいい勉強になるというか。私もこれからどんな旅になるのかハラハラドキドキです(;´∀`)
しほ