もう一生こんな所で泊まることはないと思う。(サリタシュ~国境)

キルギスタン

宿を出た所にいたおっちゃん。

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ぱつんぱつん・・・。

さて、宿の人にタジキスタン側の町「ムルガブ」まで行きたいという話をしたら、タクシーを呼んでくれることに。タクシーは高いだろうけど、まぁ地元の人が呼んでくれるなら値段だけでも聞いておいて損はないと思い、任せておいた。が、翌朝宿のお母さんとタクシーがいるという場所に行くと「フィニッシュ」と一言。フィニッシュって何が!?Σ(゚д゚;) ロシア語が分からない私達はただ路頭に迷う。

この日私達は朝出発予定だったのだけど、お母さん達が昨日の写真が欲しいとしょうきさんのスマホから携帯へとデータを移していた。写真の量が多く時間がかかっていたので、私達は何度も「タクシー大丈夫?」と聞いたのに、「大丈夫、大丈夫」と言われ結局宿を出たのは12時を過ぎていた。
多分、午前中ならオシュからムルガブへ行くシェアタクシーなんかを捕まえられたかもしれない。お母さんも多分それを捕まえる予定で、それがもう行ってしまったから「フィニッシュ」だったのだろうと思う。結局私達はそこにたむろしているタクシーのおやじ達と交渉しつつ、車が来たらヒッチハイクすることにした。

そこで1時間近く交渉していたけど、その間ムルガブ行きの車は1台も通らなかった。

そしてタクシーのおやじ達と交渉して分かったことは、
ここにいる人達はパスポートが無いので、キルギス側のボーダーまでしか行けない
ということと、
タクシーのおやじ全員クソだということ。

値段が高いのはさておき、私達をバカにしたようにとんでもない値段をふっかけてきたり、かと思えば冗談で下げて人の反応を見て楽しんだり。全員でニヤニヤしながら変な値段を言ってきたり、本当に輩のようなろくでもない人間しかいなかった。キルギス出国間際にして少しキルギスが嫌いになってしまった。国自体も嫌いにさせる人の力というのは恐ろしい。私も日本人代表として気をつけなければ。

全員もれなく暇そうなのに、全くやる気の無いムカつくタクシードライバー達↓

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結局ムルガブまではあきらめ、とりあえずタクシーでボーダーまで行ってそこでヒッチハイクすることにした。

交渉中↓

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私達の死闘の跡↓

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車の窓ガラスは度々便利なメモ代わりになる。
ボーダーまでは車で1時間かからないくらいの距離なのに、2人で1,000ソム(約1,600円)より下がらなかった。仕方無く1,000ソムで行くことに。
しかし今なら言える。

ボーダーまで行ったところで意味が無いということを・・・。

国境までは草原の中の一本道を山脈に向かって走って行く。周りに遮るものが何も無いため、どんどんと山脈が目の前に迫ってくる。あの山々を越えればいよいよタジキスタンだ。

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途中でヤクの群れを発見したので、一旦タクシーを停めてもらった。

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何かの写真を見たとかでヤクに一目惚れしたしょうきさん。
ずっと「ヤクが見たい、乗りたい」と言いつつ、ようやくここで初めてヤクを見ることができた。が、テンション上がるしょうきさんに反して近づくほど逃げるヤクさん達・・・。

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伝わらない愛情・・・( ;∀;) 私はというと、ネパールのトレッキングでヤクは見まくっているので、そんなに興味は無いのだ。

キルギス側のボーダーに到着。

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ここからタジキスタン側のボーダーまでは山を1つ越えるくらいの距離があり、徒歩で行くのは不可能。(無国境地帯が長い)パスポートに出国スタンプを押してもらい、とにかくここで車を待つことにした。

待っている間暇なので、ハーモニカやポイの練習をする。ポイ練習中に係員に動画を撮られる。

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※注:国境付近は写真撮影禁止ですw;

ここに着いたのが2時過ぎ。

3時・・・。

4時・・・。

この間ムルガブ方面へ通った車は何と1台。当然その車に声をかけるも、見るから満員で当然乗れず。

ここは標高が高い上に風がすごく強くて寒い。更に悪いことに雨まで降ってきて、気分も徐々に落ちてきた。

しょう「このまま今日車捕まらなかったら、僕らどうなるんですかね・・・?」

「う~ん、宿というか近くに村すら無いしね・・・どうなるんやろね?」

しょう「どうなるか分からんとこまでいってみますか」

「そうするしか無いよねー」

ここにはタクシーなんていない。歩いて行ける範囲に村も無い辺境の地。戻るにも戻れないし、どうにかヒッチハイクしないことには先へと進めない。

5時。

2人「寒い・・・。」

2人「おなか空いた・・・。」

昼ご飯も食べていなかった私達は色々限界で、ビクビクしながらも、持参したカップラーメンを片手にお湯をねだりに行った。(海外の税関職員は場所によって無愛想で怖い)

愛想が良い・・・とまではいかないものの、何とかお湯はGETでき、ここで食べなさい、と取調室のような小部屋を1室あてがわれた。外は風も冷たくかなり寒くなってきたのでありがたい!車が来たら窓からも見える。外に出たくない私達は「このまましれっとここに居座ろう作戦」を展開し、しばらくここに居座ることに成功。

「もし今日車捕まえれんかったら、野宿かなぁ?」

しょう「この寒さ結構ヤバいですよねー。人間ってどんくらいの気温で死ぬんですかね?」

「えっ、分からんけど、このくらいならあるもの全部着こめば死にはせんのじゃない?」

しょう「僕ちょっと死ぬのだけは勘弁なんで・・・」

「いや、うちやって死ぬのだけは勘弁やわ;」

私達がいる建物は、税関職員の人達の宿舎がある棟で、その前は車が往来する道となっているのだが、その道路の真ん中に2ヶ所、深さは大人の身長より深く、横3mくらいの細長い謎の穴が空いている。(雪かきで雪を入れる穴かも?)私達はいざ野宿となった場合にはその穴に入るしかないと真剣に考えていた。

しょう「でもここの人達も死人が出るのはまずいから、この部屋で泊まっていいとかならないですかね~」

「ほんと!1人くらい優しい人がいてそうならんかな~。マジでこの寒さはヤバいよね・・・」

その後もう1台、大型トラックが来るも積み荷はパンパンで人が座れる助手席には到底2人分のスペースは無く断念。結局ボーダーに向かう前、昼12時から夜10時まででムルガブ方面へ向かう車は2台しか通らなかった。(サリタシュへ向かう逆方向へはその倍以上は通過していた。)

夜10時。
税関職員さんの優しい心意気で、何とこの部屋に泊まれることになった!(というか、向こうとしてもそうするしか無かったのだと思う)外は冷たい風がびゅんびゅんと吹いて寒く、テント無しシュラフ無しで野宿はかなり厳しそうだったので本当に良かった。

しかも税関職員のボス的な人が「寒いならこれ使うか?」と温風が出るヒーターまで貸してくれた。無愛想なヤツだと思ってたけど意外と優しくて驚いた。部屋は狭いので床に寝相の悪いしょうきさん、机の上で私が寝ることになった。しょうきさんが寝袋を貸してくれたけど、温風のせいで逆に上の方が暑くなって、結果私は寝袋を出て上着も脱いでTシャツ+ロンTという軽装で寝ていたけど、それでも下のしょうきさんは寒かったらしい。寝袋使ってしまって申し訳ない。

本日の寝床↓

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しかしこんなモロ国境で寝ることになるとは。もぅ一生こんなことは無いだろう・・・。あったら困る!し、無いことを願う。でも部屋借りれて本当に良かった。
さて、明日は車は来るのだろうか・・・?

 

サリタシュからキルギス側ボーダーまでの行き方

サリタシュ13:20発~ボーダー14:05着
タクシー 約45分 2人で1,000ソム(約1600円)
※途中ドライバーが運転免許証を忘れて引き返したので、実質30分ちょいくらいだと思う。しかしボーダーまで行ったところで意味は無い。
読んで頂いて分かるように、この手段はお勧めしない。ムルガブへ行く一番安くて楽なのはやはりオシュからシェアタクシーで行く方法。(1人2500ソム)

●サリタシュからヒッチハイクする場合
サリタシュからは公共の交通手段が無い上、国境を越えれる運転手もほぼいない。手段としてはオシュからムルガブへ行く車をヒッチハイクするしかない。1日で捕まらない場合もあるので、2~3日の余裕は持って行きたい。ヒッチハイクは必ず朝からすること。
但し、ムルガブ行きの車は少ない上に、大体満車で来るので、「お断り価格」的にかなりの値段で言ってくる可能性もある。オシュから直接ムルガブへ行くよりも割高になることは覚悟しておいた方がいい。
サリタシュの宿の人に頼んで、オシュからドライバーを手配している旅行者もいた。
※注:私達が国境へ向かったのは6月20日。キルギス・タジキスタンのハイシーズンとなる7月~8月はもっと車も多いかもしれない。

コメント

  1. maruo_haas より:

    サリタシュの様子が分かり参考になりました。
    と言うのも、私はオシュからタジクへ入って
    パミール高原とワハーン回廊をぐるっと1周して
    またオシュへ戻り、
    オシュからカシュガルへ行って
    カシュガルから日本へ空路で帰国。
    という予定なのです。
    タジクからキルギスへ戻ったら
    サリタシュで車を降りてそこから
    中国へヒッチハイクという手段で
    移動する人も多いですが、
    ちょっと難しいかもしれませんね。

  2. >maruo_haasさん より:

    う~ん、中国系トラックは比較的見たので、中国に向かうなら私達よりも車を捕まえるのは楽かもしれませんね。でもまぁ数日かかる覚悟はした方がいいかもです。本当に車通りは少なかったので。
    ワハーン回廊はやっぱ行って良かったですねー(*´∀`*)
    しほ

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