前回の記事→もう一生こんな所で泊まることはないと思う。
まさかの国境で一夜を明かした私達。
既に昨日キルギスの出国スタンプは押されているのに、まだタジキスタンに入国出来ていない・・・。
もし今日も車を捕まえられなかったらまたここで一泊・・・!?それだけは勘弁したいと、朝が弱いしょうきさんもこの日は8時から張り込み開始。
オシュから車が来ると想定し、大体9時から13時までが勝負。
本当に犯人を待ち構えているようで変なテンションになってきた。
変なテンションついでに撮ったしょーもない動画↓
よく聞こえないけど、しょうきさんが口ずさんでいるのは「太陽にほえろ!」のテーマソング。渋い・・・。うちより若いんだから、踊る大捜査線とか出てこなかったものなのか。
待つこと約2時間。
ようやく本日1台目の車が到着!例によって車内は満員・・・だけど、荷物を移動させれば乗れなく・・・もない?これを逃してなるものか!とドライバーのおじいさん(キルギス人?)に交渉。
タジキスタンではヒッチハイクでもお金を払うのが普通。シェアタクシーとほぼ同じ感覚で、旅行者だけではなく地元の人もちゃんと払う。1~2時間の中距離くらいならさほど値段交渉も必要無いが、こういう長距離は値段交渉が必須。
始めは満車だから無理だと言っていたおじいさんも値段を交渉すると少し様子が変わり、「1人2,000ソム(約3,200円)」と言ってきた。オシュ~ムルガブが2,500ソムなので、これはべらぼうに高いほぼお断り価格だと思われる。が、これを逃して次の車が来る保証も無いので、値下げ交渉してみるも1ソムも下がらなかった。足元見やがって!と思うものの、選択の余地が無い私達は2,000ソムで行くことにした。乗せてもらえるだけありがたいと思うしかない。
11時20分。
1日かかって何とかキルギス側のボーダーを脱出!
しかし2日目で出れて本当に良かった・・・。
私達を乗せてくれたのはタジキスタン(ムルガブ)に住むキルギス人家族。プラス、シェアタクシーとしてオシュから乗ってきた韓国生まれ、オーストラリア育ちのユン君。ユン君は非常にフレンドリーで私達が昨日から車を待っていたことを知ると「Oh my goodness!」とまるで自分のことのように驚き嘆いてくれた。
キルギスボーダーからタジキスタンボーダーまでは約1時間かかった。無国境地帯が非常に長く、それ以外にもチェックポイントもあった。
私達のパスポートは出国日が昨日という謎の空白の1日があるので、内心大丈夫かなと心配していたけれど、難なくクリア。でもやっぱり国境を越える時は無駄にドキドキするなぁ。
キルギスボーダーからムルガブまでの景色もまた良かった。
道中、私の横に座っていたおじさんが外を指差して「スルキー」と言う。おじさんが指差す方を見てみると、もこもこしたオレンジ色の毛のタヌキのような動物が数匹走り去って行った。「何アレかわいい!!」ユン君の見解では「マーモット」らしい。何度か見れたが警戒心が強いようで走り去る後ろ姿しか見れなかった。その後席の交代で私は助手席に2人座るという位置になり1ミリも身動きが取れなかったので、正直景色どころでは無く休憩時間が本当に待ち遠しかった;
~無事タジキスタン入国~
国をかたどったモニュメントとガゼルの像。
ロシア語だけどかろうじて読める「GBAO」のモニュメント。
私達が入国したタジキスタンの東側、パミール高原を含む地域一帯は「ゴルノ・バダフシャン自治州(GBAO)」といい、ここに入るには許可証がいる。(ビザ申請時に同時申請。)アフガニスタンとの国境に面していることから、治安が悪い場合は入域出来ないらしいが、ここ数年はそんなことも無いらしい。
道はずっとオフロード。
キルギスやタジキスタンなんてマイナーな国だと思っていたけど、実際来ると、それはアジア人(日本人)にとってだけかもしれない。どちらの国も欧米人旅行者には沢山会った。ガチのトレッカーやチャリダーさんも多く、バイカーもいてちょっと羨ましかった。
※チャリダー・・・自転車で旅する人。
特にタジキスタンでは何ここ?チャリダーの聖地?というくらいチャリダーに出会った。年齢層も20代から老夫婦までと幅広い。こんな砂利道のオフロードを、荷物をたんまり搭載したチャリでどんどん向かって来るのだから本当に凄い。特にこのタジキスタン東側の国境は標高4,000m級の峠を越えなければいけないので、一体どんな身体能力なんだろう。
到底マネ出来ないなぁ~なんて思っていると、前からてくてくと歩いて来る人が。何にも無い道なので、当然現地人だと思っていたら何と旅行者(ドイツ人)だった。
ユン「一体どこから歩いて来たんだい?」
旅人「カザフスタンだよ」
一同「カザフスタン!?」
てっきりタジキスタン国内の町の名前が出るかと思いきや、キルギスの更に上、カザフスタンという驚きの答え。り、、、理解できん・・・(;゚д゚)ゴクリ…
最短ルートでも日本縦断より長いと思う。昨日なんて雨降ったのに歩いたのかなぁ。う~ん、現代の裸の大将だ。
標高が高いせいか雲も近く感じる。
青く澄んだカラクル湖。
本当は私だけこの近くの村で1泊する予定だったが、またヒッチハイクに時間がかかりそうだったため、しょうきさん、ユン君と一緒にムルガブまで行くことにした。
※カラクル湖南辺りに小さな村があり、民泊も可能。(MAPS.ME:Karakulで検索)
湖だから車を停めてくれたのかと思ったら、丁度イスラム教徒のお祈りの時間だったらしい。おじいちゃん2人はメッカのある湖の方へ向かって、立ったり座ったりしてお祈りを捧げていた。この大自然の中のせいか、何だか幻想的な光景だった。
ついでに2人で記念写真。
偶然私達の横に小さな竜巻が写ったw
この辺りに沢山生えていた紫色の変わった草花。
夕方5時。
終にムルガブ到着!!
とりあえずユン君も一緒に3人でおじいちゃんの家から見えた宿へ向かう。
何でこんな高い所に建てたのか・・・。
そんなに距離は無いものの、この町の標高は約3,600メートル。少し坂を登るだけでも息が上がる。
ERALI GUEST HOUSE
夕・朝食付きで1人10ドル。少し高い気もするも、他に探すのも面倒だったので本日の宿はここに決定。
外観はシンプルだけど、部屋は結構広くて内装も凝っている。
宿から見たタジキスタン最初の町「ムルガブ」。
宿で少し休んで、早速町歩き。バザールへ向かう。
パッと見何だか殺伐としている町。しょうきさんのポンチョ姿が妙にしっくりくる。まるでここに住んでいるかのような違和感の無さ・・・w
ムルガブのマーケット。
プレハブ小屋がずらっと並び、それぞれがお店になっている。
一応小さなパブやカフェもある。
夕方だったせいか閑散としていたけど、朝ならもっと活気があるのかな?一応非常食のクッキーや飴は購入出来た。お店は少ないけど、生活に必要なものは揃う。ビールもあったけど、標高が高いので一応私はやめておいた。
宿に戻って今後の作戦会議。
向かいに座っているのはツアーガイドの男性。ユン君はここからツアーでワハーン回廊をまわってホーログへ行くとのことだったけど、あまりツアー好きではない私達はここからヒッチハイクで行くと伝えると、ユン君がランガー(ワハーン回廊に入る村)までは車を捕まえるのが難しいだろうから、お金はいらないからそこまで一緒に行こうと言ってくれた。私もそれは思っていたので、お言葉に甘えてランガーまでの明日1日は一緒にツアーに参加することにした。(後日1日分くらいのお金は払った)
このガイドさんが来た時だったか、
「そういや、タジキスタンはキルギスよりも1時間早いんやんね(時差)」
「あ、そうや、スマホも時間変わってるわ」
何て話していたのだけど、ここムルガブはキルギスとの時差は無いと言う。
歩き方にも、ユン君が持っているロンプラにもタジキスタンの日本との時差は-4時間(キルギスより1時間早い)となっている。国内で時差が違うなんてことは一言も書いていない。全員のスマホもキルギスより1時間早い時間に変更されていた。(GPS機能があるスマホは国が変わると勝手に時刻を合わせてくれる)
国内で時差があるのは別に珍しいことでは無いけれど、タジキスタンにおいてはそんな情報は聞いたこともなかった。
これが所謂?「パミール時間」?
「自治州だし、この辺りだけで勝手に言ってるんじゃ・・・?」
「ドゥシャンベ(首都)までの間、一体どこで時間が変わるやろ?」
「ドゥシャンベで聞いて、そんなん知らんって言われたら面白いな」
などと謎の時差について物議を醸す。
後日ネットで調べたけど公式な時差はやはり国内全土で同じだった。う~ん、やはり自治州なだけあって「俺達は違う国だぞ!」という意識が強いのか?
晩ご飯のプロフ(炊き込みご飯)とナン。
キルギス同様油っこいので、あまり箸が進まない。こういう田舎で出されるナンも、いつ作ったのか分からないくらいパサパサしているので既に飽き飽きしている。が、たとえレストランに行ったとしても同じような感じなので、食べるしかないんだけど。
宿のおばあちゃんが可愛かった。
次回はツアー1日参加編。世界遺産も見れたので便乗して良かった♪
前の「ユルタでキャンプ!(カシュカシュ村)」の記事最後にしょうきさんの動画をUPしました。良ければご覧あれ~(*´∀`*)
★追記★
この「パミール時間」はこの後行くイシコシムにて通常時差に戻りました・・・。
キルギスボーダーからムルガブへの行き方
ボーダー11:20発~ムルガブ(Murgab)17:10着
ヒッチハイク 約5時間50分 1人2,000ソム
※国境付近に両替や店などは何も無い。
ムルガブの安宿
宿は何軒かある。シェアタクシー等で来た場合は宿の前まで連れて行ってもらおう。
私達はドゥシャンベまでWIFIのある宿には泊まっていない。大体の宿はドルでもソモニでもどちらでも支払い可能。
●ERALI GUEST HOUSE
1泊:1人10USドル(79ソモニ)朝・夕食込み
シャワー:お湯バケツ
充電:部屋で可能。が、停電も多くかなり不安定。
行き方:MAPS.MEで検索可能
※町並みが見渡せるアットホームないい宿。お湯やミネラルウォーターも補充可能。
(2016.6.21~1泊)
●Surab’s Guest House(泊まっていない)
1泊:1人$6(食事含まず)
●Pamir hotel(泊まっていない)
私達が泊まった宿は他に客がいなかったが、ユン君曰くこちらは多いよう。ツアーを考えて人を集めるならここで行きたい人がいないかを聞くといいかも。場所はMAPS.MEで検索可能。
ムルガブの町
バザールや商店があるので、生活に必要なものは大体揃う。
インフォメーションセンターもあるので、ツアーの予約や情報収集はこちらで。
銀行あり。USドル→タジクソモニへの両替は可能。(キルギスソムは未確認;)ATM代わりの機械があるのでカード(VISA)は使える。が、銀行の営業時間に注意。10:00~17:00。オシュからムルガブへ来る人は営業時間内に間に合わないかも。
銀行もインフォメーションセンターもこの先はホーログまでほぼ無い。
※ユン君が予約した「ムルガブ~ワハーン回廊~ホーログ」までのツアー代は、3日で280USドル。車1台辺りの料金なので、280÷参加人数=1人の費用。食事や宿代は含まれない。ドライバー(兼英語ガイド)の食費や宿代は払わなくて良い。
コメント
最近は毎日、世界一周ローカル旅と
このブログを読ませてもらってます。
ところで、タジクソモニについてですが、
オシュで両替は出来るようですが
どうだったでしょうか?
ホーローグにはATMがあるようですが、
タジクはあらゆるインフラが貧弱なので
ATMも「カードが出てこない!」とか
「手続き完了したのにお金が出てこない!」
とかトラブルが心配なので
オシュで両替をしておいた方が良いと思うんですよ。
もしご存じならアメリカドルから両替の
相場も教えていただけると助かります。
ローカル旅の方も読んで頂いてるんですね!しょうきさんが両手を挙げて喜びます(*´∀`*)
私はオシュで100USドル両替しました。
レートは細かく覚えて無いのですが、為替アプリで比較するとほぼ市場レートと同じでした。
その後ソモニが足りなくなって、ホーログでUSドル両替した時もレートはほぼ市場価格と同じだったので、結局ATMは使っていません。ATMでタジクソモニを引き出す手数料を考えると、USドルを両替した方が無難だと思ったので。元々どちらも持っていなかったらまぁ仕方無いのですが。
日本からUSドルを持って行くのが一番いいですが、キルギスやドゥシャンベのATMでもドルは引き出せましたよ~。ATM自体の手数料は無料でした。(カード会社の手数料がかかるでしょうが)
ちなみにATMは銀行併設のものしか見なかったので、もし吸い込まれてもすぐ銀行に駆け込めば大丈夫だと思います。
しほ