急いでベナンへ行ったのはブードゥー教のお祭りを見に行くためだけど、そもそもそのお祭りの存在を知ったのは、モロッコの宿でベナンでボランティアをしている日本人男性Y君に会ったため。
ベナンの良さを力説するY君にデジャヴを感じる私・・・。
この「自分がいる国大好き!」具合、、、何かパプアニューギニアにいたボランティアの人達とすごく似ている。
2つに共通するのは「何も無い、けど何かいい」。
そう感じると徐々に気になりだし、更に謎の「ブードゥー教」のお祭りもあるということで、話を聞くとこれまたそこはかとなく漂うB級感!
これは何だか面白そう。
「是非次のお祭りの日程を教えて下さい!」と言って別れたのである。
謎が深まるブードゥー教
その後Y君から送られてきたメール↓
えっと・・・
突っ込みどころが多すぎる笑。
神様のスケジュールって!?
外国人をボコる「オロ様」って!?
夜間に会うと女性は拉致され、男性はお金を要求される「ザンベト様」って!?
ブードゥー教の神様って一体・・・。
↓更にその後のメール。
何はともあれ金が必要らしい。
一抹の不安を抱えながらも、Y君が手配してくれたタクシーで、お祭り期間中お世話になるベナン人「ロジェさん」の家へと向かう。
今回のお祭りのメンバーは色々世話を焼いてくれたベナンでボランティア活動をしているY君に私とエリちゃんに加え、夫婦で世界一周しているケンさんとバンビさん、合計5人と結構な大所帯。
ケンさんとバンビさんはセネガルの日本人宿で知り合い、彼等の出発直前にこのベナンの話をするとすごく行きたいとなり、急遽色々な予定を変更してここに辿り着いたというなかなかの行動力。
そんな彼等もまたパプアニューギニアのマスクフェスティバルにも行っているPNGファンなのである。
ケンさんバンビさん夫婦の世界一周ブログ↓
絶景舞踏~舞踏家と元体操選手の世界一周夫婦ふたり旅~
ブログになかなかのタイムラグがあるのはご愛嬌♪
ちなみにパプアニューギニアのマスクフェスティバルが気になった方はこちらからどうぞ!
ケンさんバンビさんのブログでも書かれてますよ~。
ベナンの小さな村「ウェボ」へ
コトヌーから車で約1時間半、お世話になるロジェさんのお宅があるウェボ(Houegbo)という村でY君と合流する。
なかなかいい感じの田舎具合。
ロジェさんの家。
いいねぇ~!!(*´∀`*)
本日はここで1泊して翌朝お祭りのあるティオ(Thio)村へ移動することに。
ティオ村はロジェさんの生まれ育った村でもあり、そこに家族もいる。
モロッコぶりの再会のY君との挨拶も早々に、到着するなりはちきれんばかりの笑顔で出迎えてくれたロジェさん!
ニコニコと本当に嬉しそう!
Y君曰く、日本人がこんなに沢山来てくれることがまず無いので、本当に嬉しいんだそう。
こんなに喜んでもらえてこちらも嬉しい。
ウェルカムドリンク。
ミックスジュース。
ベナンにあるジュースやお菓子などの既成品は他国からの輸入品が多いのだけど、これはベナン製だった。
普通に美味しい。
既成品は現地の人からすると結構高いものが多いのにありがたい。
ロジェさんは学校の先生をしていて、Y君の話によると歴代の日本人ボランティアがお世話になっているそう。
何でも昔同じくベナンにボランティアに来た日本人が、学校で手洗い指導をしようとしたところ、そんなものやって何になるんだと誰もとりあってくれなかった中、ロジェさんだけが「じゃあ僕のクラスでやってみよう」と率先して実践してくれたとのこと。
う~ん何ていい話!
ロジェさんはその話通りのいい人で、何かと気を使ってくれたり、何よりも常にニコニコとしていて私達を楽しませてくれた。
現在も一夫多妻制の残るベナン。
お金を持っている人は何人もの奥さんがいて、ロジェさんは中流階級なのだけど奥さんの「アイノさん」一筋。日本と経済格差のある国特有の男性のいやらしさも感じられなかった笑。
家で一息ついた後に村の散策。
ロジェさんは知り合いに挨拶しつつも、歩いているのか止まっているのか分からないくらいの速度で、ゆーっくり、ゆーっくり歩く。
私「いつもこんなに歩くの遅いの?」
Y君「ベナン人って、目的無く歩く場合みんなこのくらい遅いんですよねー」
それもまた平和な証拠かなー。
鶏を入れるカゴ。
奥さんのアイノさんが今美容院で髪をセットしているとのことで見に行った。
美容院の看板。右がY君、左がケンさん。
髪をセットしているアイノさん。
黒人さんの髪は女性も男性もチリチリパーマなので、男性は短髪、女性はこういう風に編みこみをした後三つ編みを沢山つくってまとめている人が多い。音楽好きエリちゃん曰く「ブレイズ」という髪型らしい。
これで6,000CFA。約1,200円で出来るのでお安い!
髪は洗えるけど、かゆくなるのは間違い無いだろうけど。
色のついたナイロンの糸を使ったエクステのようなものもあり、バンビさんが1本だけ付けようかな~と言うので便乗して全員で1本ずつ付けることに。
完成。
髪の毛がパッツンすぎて浮きまくっている;
エリちゃんはなぜか「インセクト(虫)みたいにしてほしい!」となかなか奇抜なお願いをする。
反対側も同じようにして確かに触覚が2本生えた虫のようになっていた(゚∀゚;)
髪の短いケンさんも!
ラーメンマンみたい。
そして最後にアイノさん直々にメイクをしてくれたんだけど。
左バンビさん、右わたし。。。
バンビ「しほちゃん!眉毛が2本あるよ!!」
元々ボーボーの眉毛の上に更に眉を描かれ特に写真右の眉毛!
わたし「イモトみたい!」
そして眉間に描かれた謎の点!
アイノさんがわざと面白く描いたのだろうと全員爆笑していたのだけど、この後会った人も同じようなメイクをしていて真剣に描かれていたのだということが後で判明した;
えー、、、これ真剣にやってたのか・・・。
ロジェさんとアイノさん。
ベナンもセネガル同様、服は仕立屋に布を持って行ってオーダーメイドで作るのが一般的。
1つの布で家族分作るということもあるので、兄弟や家族全員同じ柄というのも珍しくない。服を作らず腰に布を巻くだけのスタイルもある。
家へ帰る途中ロジェさんが路上の木を指差して言う。
「あれがこの村で一番大きな木なんだ。あの木を曲がれば僕の家だから、目印に覚えておけば次来る時も迷わないよ。」
一番大きな木↓
恐らく全員次ベナンに来ることがあるだろうか、、、と思いながらも家路につく。
夜ご飯はアイノさんのお手製ベナン料理。
お腹が空いていたせいか写真を撮り忘れたのだけど、ご飯に魚の辛いソース。
そう!ベナン料理は基本的に辛い!
でもまぁ辛すぎて食べれないというわけでもない。
とりあえずパンではなく米の国で良かったと思う。
ちなみにトイレは野ションを覚悟していたけれど、ちゃんと家の外に汲み取り式のトイレがあった。
シャワーは溜めた雨水をバケツに汲んで使うタイプ。自然は多いけれど、やはり水は貴重。
蛇口をひねれば水が出る日本で当たり前のシステムはここには無い。
朝ごはん。
これはベナンの朝食の定番「ブイ」。
とうもろこしの粉で作った温かいおかゆのようなもの。
酸味があり、これに砂糖をたっぷり入れて食べる。かつてフランスの植民地だったせいか、フランスパンもよく見かける。
ロジェさんが朝イチで買って来てくれたようで、焼きたてでまだ温かく美味しかった。
出発までまだ時間があるようだったので1人ぶらぶらと村散策。
庭にあるパパイヤの木。
村を歩いていると、商店の軒下で桶を頭に乗せてぼーっと立っている女性がいた。
中に何が入っているんだろうと見ると、屋根から落ちている水を溜めているところだった。
後でY君に言うと、浄化水を買えない人はこうして雨水を集めるらしい。
女性にフォン語で「エーフォンガンジーヤ!(元気ですか?)」と言うとキャッキャ笑いながら「ウーフォンガンジー(元気よ)」と返してくれた。
笑いながら去って行く女性の肉体美!
パイナップル畑で働く男性。
意外にパイナップル畑って初めて見た。
もっと高い木になるものだと思っていたけど、草のようなところからいきなり生えているという感じ。
「写真撮ってよ!」と言ってきた家族。
女性陣。
・・・って!左の人ブラだけどいいの!?
一応キメ顔してるけどブラだよそれ!?
え?大胸筋矯正サポーター?
いやブラでしょ。
カメラのモニター画面を見せると満足気な2人。い、いいんや・・・。
小さな村なのにバー兼安宿がある。
こんな村でも宿があるのかーと思って値段を聞くと個室で4,000CFA(約800円)。
部屋を見せてもらうと思った程汚くもないので意外だなーと思っていると後で連れ込み宿ということが判明;
※連れ込み宿・・・まぁ女性を連れ込んであれこれする宿。過去会った男性バックパッカー曰く、どんな国でも風俗が無い国は無いらしい。
ベナンでよく見る結構大きなトカゲ。
頭が黄色く、尻尾が赤い。
お祭りが行われるティオ村へ
昼頃、いよいよティオ村へと向かう。
車は運転手付きで1台チャーター。
リアガラスにジーザス!どうぞお守り下さい!
※ブードゥー教も広く信仰されているけど、町に住んでいる人はキリスト教徒も多い。
出発の時隣の家の子供に見守られる。完全に自然と同化。
途中「ダッサ」という町に立ち寄る。
ここの病院でロジェさんの弟さんが働いているのだけど、会うなりお互いの頭をくっつけて右でゴリゴリ、左でゴリゴリ・・・!
どうやらベナン流の挨拶らしいけど、初めて見るとかなり面白い。
↓町の病院。
病室がイラストで分かりやすい。
途中通った岩山。
なかなかカッコイイ岩山なのに、こういうの観光資源にならないのかなー。
近くにはベナンで一番大きいという教会もあった。
ベナンでの窃盗罪は市場で丸焼きの刑
ベナンに住んでもうすぐ2年のY君はいろいろなベナンの話を教えてくれた。
中でも衝撃だったのが、Y君の友達が住んでいる別の村での話。
ベナンでの庶民の足はバイク。
どの町にも沢山のバイクタクシーが走っていて、自分のバイクを持っている人もいる。
車も走っているけれど、圧倒的にバイクの数の方が多い。
中国製のバイクは新車で7万円くらいで買えるそう。
日本からするとかなり安いけれど、現地の人の収入は普通の家庭で月1~2万円、ロジェさんの弟・医者でも6万円くらいだと言う。
Y君の友達の住んでいる村である日バイクが盗まれたのだけど、その盗んだ犯人はマルシェ(市場)で丸焼きにされたとのこと。
マルシェには、大人も子供も沢山野次馬が集まっていたそう。
もちろん法律では窃盗より殺人の方が罪が重いけれど、警察が来る前にやってしまい、警察もそのことに関しては黙認しているのだとか。
私はこの話を聞いて「未だにそんな風習がある場所があるのかー」と半信半疑だったので、コトヌーに戻ってから別の現地人に聞いたのだけど
「そんなの今は田舎の方しかやってないよ!」
と自信満々に返答されたけど、やっぱり田舎ではやってるのか。
ベナンの治安がいいのはこういう風習があるからなのかもしれない。
次回、ティオ村でブードゥー教の神様に会う!
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