Day8.エベレスト・ベース・キャンプという場所

8日目:Lobuche ロブチェ(4,910m)7:40~GorakShep ゴラクシップ(5,140m)10:40(50分休憩)~E.B.C エベレストベースキャンプ(5,364m)13:30 30分休憩~ゴラクシップ 16:00
この日はいよいよ標高5,364m、エベレスト登山家がキャンプ地とする、エベレスト・ベースキャンプ(以下面倒くさいのでE.B.Cと略す)に行く。
翌日カラ・パタールに行くため、E.B.Cからの帰りはロブチェより手前にあるゴラクシップで宿泊することにした。
実際使った地図で言うとこんな感じ↓
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左下にあるのがロブチェで、ゴラクシップに宿泊すると、カラ・パタールへのアクセスにも余裕が持てる。
E.B.Cからはエベレストは少ししか見えないため、カラ・パタールのみ行く人も多いが、前回の記事でも書いたように、私がE.B.Cへ行く理由はエベレストではなく登山家達が情熱をたぎらせるキャンプ地を見たかったからだ。と言っても、今の時期にエベレストアタックする人はいないため、もちろんキャンプ地にも誰もいないとのことだったが。
ともかく、朝8時前にロブチェの村を後にし、まずはゴラクシップを目指す。
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この辺りには緑は無い。
クーンブ氷河沿いを歩くものの、水も氷も無い。
茶色い土と、白っぽい砂、雪が積もった山…と言うよりは、凍りついた白い山脈が連なった景色の中をひたすら歩く。
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ゴラックシップのロッジが見えた。
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標高5,140m。
この先に村やロッジは無い。この先、エベレスト山群の向こうは中国だ。
先に宿を決めておき、荷物を預け、昼食を取る。
本日の宿「SNOW LAND HIGHEST INN」。
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右隣りのブッダロッジ(だったかな?)も人気宿っぽかったが、前日同じ宿に泊まっていた騒がしいグループがそっちに泊まると小耳に挟んだので、この宿にすることに。
昼食に食べた「シェルパシチュー」。
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見た目はアレだが、これが美味しい!!
昨日の夜ロブチェの宿でも同じものを食べて以来、その後のトレッキング中数回食べた。レストランによって多少雰囲気は違うものの、基本的には野菜のごった煮にパスタ的なものが入っているといった感じ。同じく具の無いワンタンのようなものが入ったネパール料理の「タントゥク」に似ている。野菜が沢山入っていて、ミネストローネスープのような雰囲気もある。
野菜も結構取れるし、ヌードルスープ(インスタントラーメン)の塩っ気にも飽きた所だったので丁度良かった。
充分休憩を取って出発。
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白い景色の中をひたすら上る。
少し歩いただけでもすぐに息があがり、かなりキツかった。
少し上っては休み、少し上っては休み、を何度となく繰り返す。
途中で「今頃日本にいたら、コタツにみかんに漫画だな~」という考えが頭をよぎり、更に自分で自分を苦しめる。
道中にあった大きな記念碑。(慰霊碑?覚えていない;)
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見えた!!!!!
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中央の大きな山の背後に少し見えている黒い山が世界最高峰・エベレスト(チョモランマ)!!標高8,848m!!
で、その下にある白い一帯がエベレストを目指す登山家がキャンプを張るエベレスト・ベースキャンプ!!
写真では分かりにくいが、キャンプ地は山に囲まれた谷にあり、更に周りは雪の壁に囲まれている。その壁の中は全体に鍾乳洞をひっくり返したような、雪でできたいくつものトゲトゲの山がある。全て風避けのためだろうか?
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何にせよ、エベレストを目指す登山家達はエベレストを目の前にキャンプ地を張るのではなく、その手前の山を見据えながらエベレスト登頂を目指すのか…と思うと、会えない想い人に恋い焦がれるような…という陳腐な例えを出してしまったけれど。それも命がけで挑むのだから、人間の情熱というものは凄い。景色がどうこうと言うよりも、この地に来て良かった。神々の聖域と呼ばれるくらいだから、もっとスピリチュアルな何かを感じるかと思ったが、私は人というものの凄さを感じた。
こういった予想していたことが覆される時、私は旅っていいなぁと思う。やはりその土地に行ってみないと分からないことは沢山ある。
このトレッキング中に読んでいた本はパウロ・コエーリョの「星の巡礼」。
その本に「山が高いか低いか知るためには、必ずしもその山に登る必要はない」という合言葉がある。トレッキング中だった私は、「それを言ったらおしまいやん…泣」と思ったものの、その合言葉の答え(返信)が、「船は港にいる時、最も安全であるが、それは船が作られた目的ではない」。
これは「人間」のことを言いたいのじゃないかと思った。人も、家の中でじっとしているのが安全だが、それは人がつくられた目的ではない。
ここで人がつくられた目的が何かなんて小難しいことを書くつもりは無いし、そもそも私にはそんなことは分からない。
ただ、「命をかけてやりたいこと」というのは、他人にとっては滑稽に見えることもある。けれどそれでもなお挑戦する人間の情熱というものは、、、。
などと、感慨に耽ってまとめようとしているが、ここで終わりでは無い。
クマル 「さぁ、行くよ!」
や…やっぱり???(;´∀`)
実はここ、E.B.Cが眼下に見える場所で、もっとキャンプ地の近くまで行けるのである。
ここまで↓
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「眼下に見える」ということは、行きは下りだが当然帰りは上り。ここまで来るのにかなりへばっていた私は非常に迷ったものの、そこまで遠くはないため、もう一息、と最後の力を振り絞って重い腰を上げた。
こんな所でもスズメのような小さなかわいい鳥を発見した。
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何とか到着!!!
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写真映えするタルチョと標識もあったから来て良かったかな。
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クマルさんと。
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右端の雲がかかってチラッと見える山がエベレスト。
ベースキャンプはここより低い位置にあるため、キャンプ地に入るとエベレストは完全に見えないかもしれない。
近くで見るキャンプ地↓
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今は誰もテントを張っていないが、4月~5月のハイシーズンはここがテントでいっぱいになるらしい。
ここから帰る途中、軽く頭痛がしたが、宿に着いて暫くすると治ったので良かった。
夕食時にダイニングルームにある温度計を見ると、マイナス10℃だった。ダイニングルームには薪ストーブがつけられているのにも関わらず。
とにかく、温度計が壊れているのだと思うことにして寝た。
明日はいよいよこのトレッキングの最終目的地「カラ・パタール」!!
【ロブチェからゴラクシップ】
ロブチェから先はゴラクシップしか宿・レストランは無い。ひたすら上り坂。E.B.Cまでも同じ。キツい。
【ゴラックシップの宿】
「SNOW LAND HIGHEST INN」
宿泊費:R100
今までレストランの水道水をもらっていたため、ミネラルウゥーターを買うことが無かったが、よりによってこの一番標高が高い(=一番物価が高い)場所で、買うことになってしまった…;なぜなら、もらった水に赤い微生物が泳いでいたため。念のため、一度捨てて再度貰ったが同じだった。ミネラルウゥーターの高さ故、その後は「手ぬぐいで水を濾過する」という荒療治でやり過ごしたが、何とかお腹は大丈夫だった。隣りのブッダ・ロッジの方が無難かもしらない。(水は必ずチェックすべし!;)
【本日使ったお金】
シェルパシチュー R450
紅茶 R110
フライドライス R450
ミネラルウォーター R350!(←カトマンズではR20)
宿泊費 R100
合計:R1460

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