香川県・高見島観光|瀬戸内国際芸術祭2019秋会期アート作品

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前回の記事に引き続き、今回も高見島。3年に1度開催される「瀬戸内国際芸術祭」、2019年秋に鑑賞したアート作品の紹介です。

瀬戸内国際芸術祭2019年秋会期|高見島のアート作品

次回の瀬戸芸は2022年です。今回紹介する作品のほとんどは恐らくもう見れませんが、「うつりかわりの家」と「時のふる家」は以前からある作品なので、次回も見ることができるかもしれません。

「積みかさなる白と空白」鎌田祥平・並木文音

ただただ真っ白な世界。制作現場も見ていたので、あ~完成してる~とちょっと嬉しかったり。

「時のふる家」中島伽耶子

個人的に高見島では一番好きな作品。
暗闇に浮かぶ幾筋もの光。写真が古いスマホなので分かりにくいのですが、外から差し込む光をアクリル版が受け、あたかもアクリル版が光っているように見えるのです。

この時は見事な光と影だな~と思っていたのですが、いざこの文章を書いていて「光陰(こういん)」という言葉を思い出しました。
ことわざである「光陰矢の如し」の「光陰」で、月日や歳月、時間を表します。なるほど、だから「時のふる家」なのですね~。

「Long time no see」PARANOID ANDERSONS

「Long time no see」とは、長らく会っていない人に会う時に「久しぶり!」という挨拶で使われます。その後に「What’s up?」とか「What’s new?」(元気?最近どう?)が続いたりします。オーストラリアだと「How’s it going?」がめちゃくちゃ使われます。というのは関係ない話ですが。

実際に高見島にあった一軒の空き家を解体し、室内に残された大量の衣服や家電用品、食器、瓦などをほぼすべて使ってこの作品を完成させています。鏡から鍋まで、その一家の歴史を覗いているような妙な背徳感があったり。

冷蔵庫の中にはかなり古い雑誌や本が。

「keep a record」大石いずみ

やや抽象的な絵の展示。

「まなうらの景色」村田のぞみ

「まなうら」は漢字で書くと「眼裏」。まぶたの裏という意味もありますが、かつて見た姿や情景が思い描かれるたとえとしても使われます。
部屋いっぱいにあるこのもわもわした泡のようなものは、作家さんとボランティアが細いステンレス線を地道にネジネジしたものです。

「内在するモノたちへ、」山田愛

部屋に敷き詰められた小石は、上へ上へ上昇する様を表現しています。
中に入った瞬間に圧倒的な世界観を感じられ、これは次会期まで残るだろうと思っていたのですが、残念ながら撤去されてしまいました。悲しい・・・。次回も山田さんの作品が観られることを祈ります。

「過日の同居」藤野裕美子

これも好き。瀬戸芸最終日に行くと、制作者である藤野さんが偶然いたので、話をすることができました。
藤野さんは高見島で作品を作ることになった時、島をくまなく歩いたり、実際に島民の方とかつての住居に訪れました。その際島の方が昔の話をする時に生き生きしてたことや、島のもつ雰囲気がこの絵のインスピレーションに繋がったそう。

私も龍王山に登った後にこのアート作品を観たので、「島のもつ雰囲気」というのが少し分かった気がしました。透明感があって、神秘的でもあって、力強く柔らかいような。

「うつりかわりの家」中島伽耶子

2013年の瀬戸芸から継続してある作品。
家屋に無数の小さな穴を明け、穴にアクリル棒を差し込んで光を取り込んでいます。実際中に入ると真っ暗で、無数の光が星のように見えます。

あえてピンボケさせて撮ったこの写真が結構お気に入り。

「家の”メメント・モリ”」ロサナ・リオス

かつてこの家に住んでいた人の痕跡を表現しているそう。結構不気味だけど、好きな人は好きかも。

メメント・モリは、ラテン語で「自分が必ず死ぬことを忘れるな」、「死を忘るなかれ」という意味の警句。芸術作品のモチーフとして広く使われる。(Wikipedia)

2階は一転して明るい。

「除虫菊の家/静かに過ぎてゆく」「除虫菊の家/はなのこえ・こころのいろ」内田晴之・小枝繁昭

これは誰が観ても楽しめる作品かなーと勝手に思います。

1階の絵は、写真の上から鮮やかな色彩でペイントされたもの。こういうの、1個ずつじっくり観てしまいます。

2階には蚊取り線香の材料で作られたアート。
「除虫菊(じょちゅうぎく)」とは、かつて高見島でも生産されていた蚊取り線香の材料となっていた花です。詳しくは前回の記事をご参照ください。

これは作家さんの空想の世界にある島で、瀬戸芸の会期中、1個ずつ火をつけて燃やしていきます。
この写真は最終日に撮ったので、ほとんど燃えきっていますが、会期始めに訪れた時はこんな感じでした。

「除虫菊の家」会期始め

「海のテラス」野村正人

ここはこえび隊のボランティアで少しだけ制作のお手伝いしました。
会期中は食事も出していたので、海を眺めながら最高のロケーションでご飯が食べれましたが、今はどうなっているんでしょう。

この近くにあったのが最後の作品、梶井照陰の「KIRI」でしたが、映像作品なので写真はありません。ただただ色んな角度からの「霧」が観られました。

そうだ。高見島へ行こう。

瀬戸芸最終日・フェリーを見送る人々

瀬戸内国際芸術祭では色んな島に行きましたが、最終日には高見島に行きました。
地元にいながら、瀬戸芸自体今までこれほどじっくり行ったことが無かったし、今回は初めてボランティア「こえび隊」に参加したこともあって、多くの作品とお客さんに関わることができました。

最終日、帰りのフェリーからは海に沈むオレンジ色の夕陽が。
文章にすると何だかできすぎたような幕引きですが、とにかく美しいことに変わりはないのです。
次は3年後、一体何をしているのやら。

高見島への行き方はこちらの記事をご参照ください。

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